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ITが医療を変える◎待合いに診察室に「iPad」
iPadを使った説明で患者と“向き合う”
Case001●習志野台整形外科内科(千葉県船橋市)

2013/04/22
北村昌陽=医療ジャーナリスト

写真1●宮川一郎氏(習志野台整形外科内科院長)
1993年帝京大学医学部卒業。大学病院・公立病院・個人病院などの勤務を経て、2007年に開業。iPadなどのタブレット型端末を活用しながら、患者参加型の医療の実現を目指す。

 千葉県船橋市内の私鉄駅から歩いて数分。交差点に面した共同住宅の1階で開業する習志野台整形外科内科は、一見ごく普通の診療所に見える。だがここは、院長の宮川一郎氏を中心に、2010年のiPad発売直後からこの端末を診療に取り入れてきた、医療におけるIT(情報技術)活用のトップランナー的クリニック。メディアで取り上げられる機会も多く、医療界から注目を集める存在だ。

 その代表的な取り組みが、iPadを使った問診だろう。同院には現在、紙に書き込むスタイルの問診票がない。すべての患者が、iPadの画面上でボタンを操作しながら、症状や過去の病歴を入力する。

 入力された情報は、無線LANを通じて即座に電子カルテに取り込まれるため、患者が診察室に入ったときには、診察室のディスプレー上にその情報が表示されている。医院スタッフが問診票を転記したりスキャンする手間がいらないし、問診票を保管するスペースも不要だ。

 整形外科を中心に診療する同院には、スポーツでけがをした若者から、足腰の痛みに悩む高齢者まで、幅広い世代の患者が訪れる。若い世代はともかく、高齢者にとってiPadの入力はハードルが高くないのだろうか? 実際、導入した当初は、操作に戸惑う患者のために紙の問診票も併用していたという。だが、いまではすべての患者が、iPadで入力できるようになったという。

 宮川氏は、「患者さんの反応を見ながら仕様のアップデートを繰り返して、誰でも操作できるデザインになってきた」と話す。その違いは、初期の入力画面と現在のものを比べれば一目瞭然だ(写真2)。文字やボタンが大きくなり、項目数は絞り込まれた。初期の画面では、「その他」のところに病名を文字で入力する欄があるが、現在はなくなっている。

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