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スペシャルリポート◎へき地医療をどう守る?《前編》
“赤ひげ”頼みからの脱却目指せ
Case1◎北海道夕張市

 「数十年にわたり地域医療を支えてきた医師が高齢のため引退」「後継医師の確保が急務に」――。こうしたニュースは、今や珍しいものではなくなっている。長年、地域に溶け込み、身を粉にしてへき地医療を支えてきた“赤ひげ”医師が第一線を退くことで、地域の医療提供体制が崩れる危機に見舞われている。

 一方でへき地医療は従来、大学医局の医師派遣によって支えられていた部分も大きい。自治医大地域医療学センター長の梶井英治氏の調査では、へき地で診療に当たる医師の約7割が大学医局からの派遣だったという。「へき地医療は大学医局からの派遣と、一部の意欲ある医師によって支えられてきた」と梶井氏は話す。

 だが、医局からの派遣も、2004年に新臨床研修制度が始まったことをきっかけに激減した。大学医局が慢性的な医師不足に悩まされるようになり、へき地への医師派遣どころではなくなったからだ。“赤ひげ”がいなくなり、医局からの派遣も期待できなくなった地域は今、それぞれに医師確保に知恵を絞り始めた。過疎化した地域では、少ない医師で広い範囲に散在する患者をカバーするために工夫を凝らしている。

 医師確保に向け先駆的な取り組みをしている3つのケースを紹介する。

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