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iPS細胞で何が治せる?(その1)
腫瘍化リスク克服の先に見えてきた臨床応用

 山中伸弥氏のノーベル賞受賞を機に、将来の臨床応用への期待が集まるiPS細胞。再生医療への応用を考える場合、「ゼロリスクの実現は不可能。この前提に立って、医療上のリスクとベネフィットのバランスを検討することが大切だ」と山中氏は強調する。

 一番の懸念は、iPS細胞から誘導した細胞を移植して癌化するのではないかということ。しかし、この点については研究が進み、「(ヒトiPS細胞の誘導に成功した)5年前より、細胞の安全性は格段に向上している。移植した細胞が勝手に増殖を始め、良性腫瘍ができる可能性はあるものの、悪性腫瘍になることはまずないだろう」。山中氏は現状をこう説明する。

 網膜疾患、心不全、神経疾患…と、iPS細胞の臨床応用に向けた研究は様々な臓器および疾患で進む。しかし、分野によって到達段階や課題も様々。腫瘍化リスク克服の先に見えてくるものは何か。いくつかの疾患について、iPS細胞研究の現状を紹介する。

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