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日経メディカル2012年9月号「この人に聞く」(転載)
専門医としての「総合医」を苦労してでも実現したい
高久 史麿氏(日本医学会会長)

たかく ふみまろ氏 1931年東京都生まれ。54年東大卒。東大助手、米シカゴ大留学などを経て72年自治医大内科教授、82年東大第三内科教授、93年国立国際医療センター総長。96年から2012年まで自治医大学長を務める。04年より現職。
写真:秋元 忍

 私が座長を務め、昨年10月から検討を進めてきた「専門医の在り方に関する検討会」の中間まとめ(案)が、8月3日の会合で大筋で了承されました。現在、細かい表現などを詰めているところです。


 中間まとめの目玉は、専門医制度を基本領域とサブスペシャリティー領域の2階建ての仕組みにした上で、「総合医」「総合診療医」を基本領域の19番目の専門医として認める方針を打ち出したことです。また、専門医の認定を中立的な第三者機関で行う方向性も示しました。ただ第三者機関による認定は、まだ具体的な議論をしておらず、どういう形になるかもはっきりしません。しかし総合医については、苦労してでも通さなければならないと思っています。

 総合医の議論は、1985年に旧厚生省が設置した「家庭医に関する懇談会」に端を発しますが、そのときの話の持って行き方が良くありませんでした。厚生省が家庭医の診療報酬を一般の診療所と別建てにする意向を示唆したことで、英国の人頭払いのような仕組みが導入されるのではないかと危惧した当時の日本医師会が強く反発し、家庭医の議論はストップしてしまったのです。

 あのときに日本式の家庭医制度をしっかりと作っておけば、今のように大病院に患者が殺到するようなこともなく、医療崩壊のような混乱は防げたのではないでしょうか。私は当時、この問題には全くタッチしていませんでしたが、関係者の人たちはなんでもっとうまくやってくれなかったのか、という気がしています。

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