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新型インフルエンザ(豚インフルエンザA/H1N1)
新型インフルエンザは迅速診断キットで検出できるか?
【2009年5月4日13:30・補足】

日本ベクトン・ディッキンソンが販売する「BD Flu エグザマン」で、「A型陽性でB型陰性」の結果が出たところ。写真提供は日本ベクトン・ディッキンソン

 「新型インフルエンザウイルスは、本当に『A型』として正しく検出されるのか」―。全国の医師から、迅速診断キットを販売するメーカーに対して、こんな問い合わせが増えている。

 厚生労働省は2009年4月29日に新型インフルエンザウイルス(豚インフルエンザ・A/H1N1)の症例定義を発表(参考)。「38℃以上の発熱または急性呼吸器症状があり、かつ新型インフルエンザウイルスに接触した可能性があり、迅速診断キットによりA型陽性でB型陰性となった患者を擬似症患者」と定義した。

※ただし厚生労働省発表の症例定義では、インフルエンザ迅速診断キットの結果がA型陰性かつB型陰性の場合であっても、医師が臨床的に新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)の感染を強く疑う場合には、直ちに報告をするなど、擬似症患者と同様の取り扱いをしなければならないことになっている。

 仮に国内で新型インフルエンザウイルスの感染が拡大すれば、各医療機関では患者の臨床症状や接触歴とともに、迅速診断キットの結果に基づいて擬似症患者と判断することになるだろう。

 もちろん迅速診断キットによる検査には限界があり、同じA型であってもH1型とH3型、あるいは同じH1型のヒトインフルエンザと豚インフルエンザを判別することまではできない。そのことは既に広く報じられている通りだが、そもそもヒトのインフルエンザの簡易検査に使われてきた迅速診断キットで、A/H1N1である新型インフルエンザを「A型」として正しく判定することが可能なのだろうか?

 それができなければ、陽性患者を見逃してしまうことにもなりかねない。その点を心配した医師から、迅速診断キットメーカーに前述のような問い合わせが増えているというわけだ。

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