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医療者と死生観にギャップ
癌患者の8割が望ましい死のため「最後まで闘病」

東大大学院成人看護学/緩和ケア看護学講師の宮下光令氏

 患者と一般市民は、望ましい死を向えるために最後まで病気と闘いたいと考える傾向が強いが、医師や看護師は残された時間や今後の経過を知って、死を迎える準備をしたいと考える傾向にある――。東大のグループが行った調査から、患者・一般市民と医療者との間には、このようなギャップがあることが明らかになった。

 調査を実施したのは、東大病院放射線科准教授の中川恵一氏、同大成人看護学/緩和ケア看護学講師の宮下光令氏らのグループ。同院放射線科外来受診中の癌患者310人、一般市民353人、同院で癌診療に携わる医師109人、看護師366人を対象に「望ましい死を迎えるために必要なことは何か」をアンケート形式で答えてもらった。調査期間は2008年1月~12月。回答者数は1138人。

 調査の結果、特に患者・一般市民が「必要」と答えた割合が高かった項目は、望ましい死を向えるために最後まで病気と闘うことが必要かどうか。癌患者と一般市民はそれぞれ81%、66%が必要と考えたのに対して、医師、看護師は19%、30%にとどまった。

 「やるだけの治療はしたと思えること」「身の回りのことが自分でできること」「死を意識せずに、普段と同じように毎日を送れること」といった項目についても、癌患者では90%前後が必要だと答えたが、医師と看護師は50~60%にとどまっていた。

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