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「ボーンマロウコレクションキット」
骨髄採取キットの欠品問題、解決へ
バクスターが代替品を承認申請、2月中にもスピード承認の見込み

 骨髄採取キットの欠品問題で、バクスターは2009年1月28日、代替品となる米BioAccess社の骨髄採取キットの承認申請を行った。これにより、国内唯一の骨髄採取キットの欠品で、骨髄移植が実施できなくなるという最悪の事態は避けられそうだ。

 ただし、バクスターとBioAccess社の骨髄採取キットは構造や使い方などが異なるため、医療者からは「BioAccess社の骨髄採取キットについて、製品や使い方などの情報が欲しい」といった声が聞こえてくる。医療者に十分な情報が伝えられ、こうした不安が払拭されるまでには、しばらく時間がかかりそうだ。

米Baxter社の事業売却が発端
 骨髄採取キットの欠品問題が公になったのは、08年12月19日。バクスターは、販売している「ボーンマロウコレクションキット」の供給が一時的に継続できなくなることを、同社のホームページ上で発表した。

 背景には、米Baxter社が骨髄採取キットの製造・販売を行っていた事業部を売却したことがある。事業部売却後、ボーンマロウコレクションキットの製造元は、米Fenwal社に移った。Fenwal社は、製造拠点を米国からドミニカ共和国へ移し、キットの一部を改良して、米食品医薬品局(FDA)などの承認を得る計画を立てていた。しかし、新しいキットの品質や安全性の確認を求められたことなどで、新工場の稼動が大幅に遅れ、世界的にボーンマロウコレクションキットの供給がストップする見込みになった。

 ボーンマロウコレクションキットとは、骨髄移植のために採取した骨髄液をろ過・収集するもの。採取した骨髄液に含まれる骨片や脂肪を除くために利用する。採取した骨髄液を入れるバッグと、フィルター、ろ過後の骨髄液を入れるパックからなり、国内では「単回使用骨髄採取・移送セット」として唯一認められている医療機器だ。ちなみに、単回使用骨髄採取・移送セットはクラスⅡの医療機器に分類されており、治験を行う必要はない。

 国内で患者の血縁者や第3者のドナーから骨髄採取を行っている採取施設は、約250施設。そのうち5%の採取施設が、旧来の手作業によって骨髄液をろ過、収集しているものの、95%の採取施設はボーンマロウコレクションキットを使っているのが現状だ。「以前は、ザルのようなものを使い手作業でろ過していたが、安全性や利便性の面でキットの方が優れている。もう手作業に戻すつもりはない」と、採取施設のある医師は話す。

現在の在庫は3月中には底を突く
 バクスターの発表を受け、厚生労働省、日本造血細胞移植学会、骨髄移植推進財団、そしてバクスターは協議を開始した。国内では、月間約150個のボーンマロウコレクションキットが使われている。現在のところ、バクスターのキットの在庫は47個(09年1月28日現在)。既に採取施設に納入し、具体的な使用計画が立てられていないキットの在庫は百数十個。2月中の骨髄採取には影響がないものの、このまま行くと3月以降は骨髄採取が行えなくなってしまう。

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