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重症角膜感染症の陰にCLの不適切な管理
入院が必要な重症患者対象の初調査の結果より

「アカントアメーバが検出されるケースが増えているとは予想していたが、予想を上回る症例数だった」と話す下村氏。

 コンタクトレンズCL)が関連した角膜感染症で入院治療を受けた患者の多くは、CLを推奨期間より長期に装用していたり、定期検査を受けていないなど、適切な管理ができていない――。このような実態が、近畿大眼科教授の下村嘉一氏らによる、CL関連角膜感染症に関する全国調査の中間報告から明らかになった。入院を必要とする重症患者を対象とした調査は今回が初めて。

 調査は日本コンタクトレンズ学会日本眼感染症学会が共同で実施したもの。全国約1100の日本眼科学会専門認定医制度認定施設のうち224施設の協力により、2007年4月から2008年3月までの1年分を集計した。対象は、9~67歳(平均年齢28歳)の、CL装用が原因と考えられる角膜感染症で入院治療をした161人(男性91人、女性70人)。

 調査項目は、患者の自覚症状の有無、初診時視力および治療開始から3カ月後の視力、前眼部所見、処方した治療薬、原因微生物とその感染部位など。

 その結果、対象患者161人の受診時の自覚症状としては眼痛(161人、87%)、充血(135人、84%)、視力低下(114人、71%)などが多く認められた。

 前眼部所見では毛様充血が最も多く143人(89%)、角膜浸潤が115人(71%)、前房内細胞が112人(70%)、角膜浮腫が106人(66%)、角膜潰瘍が96人(60%)と続いた。処方した点眼薬はオフロキサシン眼軟膏(93人)、レボフロキサシン点眼(81人)、セフメノキシム点眼(67人)、アミノグリコシド系点眼(65人)が多かった。全身投与・結膜下注射に用いたのはセフェム系の抗菌薬が最も多かった。

 細菌検査を行い原因菌を調べると、緑膿菌を中心としたグラム陰性菌とアカントアメーバが多く検出され、菌の検出部位としては角膜病巣部、CLケースに集中した。「アカントアメーバが検出されるケースが増えているとは予想していたが、予想を上回る症例数だった」と、下村氏は話す。抗アカントアメーバ薬はないため、抗真菌薬で対応するほかなく、症状の改善には時間がかかるという。

 受診時には全体の45%が視力が0.1未満であったが、角膜感染症治療の3カ月後には9%にまで減少し、視力の改善が見られた。

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