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日経メディカル2月号特集連動企画◆「その処置、必要?」 vol. 6
終末期患者への輸液―それだけではQOLは改善しない

 1998年の国内調査によると、癌治療病院では終末期患者の80%に1500mL/日程度の輸液が行われていた。だが最近では、「癌の専門医から紹介されてくる患者に投与されている輸液量は、徐々に減っている。全体として、少ない方がよさそうだという流れになっているのではないか」。聖隷三方原病院(静岡県浜松市)緩和支持治療科部長の森田達也氏は、終末期の輸液事情についてこう話す。

 経口摂取量の低下は、終末期になれば必ず見られる症状だ。多くの場合、「食べられないイコール点滴」というイメージから輸液が施行されているが、個々の医師の経験に基づき行われており、その適応や投与量の判断はバラバラなのが現状だ。だが本来、輸液はどういったケースにどの程度必要なのだろうか。

精神症状抑えるには有効
 経口摂取量が低下し、生命予後が1~2カ月と考えられるような癌の終末期患者への輸液の是非については、国際的にも緩和医療専門医の間で議論されてきた。「2000mL/日ほど大量に投与していた時代から、基本的に全く投与しない方向になり、最近はもっと幅のあるものではないかという考え方になってきた」と森田氏は説明する。終末期だから一律に「する」「しない」ではなく、個々の患者の病態や希望ごとに適応や量を決めていくということだ。

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