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【日経メディカル1月号特集連動企画◆時代はオーバー55開業 vol.4】
オーバー55世代はなぜ開業を目指すのか
「70代まで第一線で」の意識強く

 診療所の開業支援を手がける医療コンサルタントの原田宗記氏は、「ここ数年、従来型の再就職先を選ばず、診療所の開業に踏み切る医師が目立つようになっている」と語る。これまで紹介した3つの事例は、決してレアケースではないのだ。

 55歳以上での診療所開業が増えている背景には、様々な要因がある。まず考えられるのが、この世代の医師数の多さ。図1は、厚生労働省がこのほど明らかにした2006年の年齢別医師数のデータだが、06年時点で57~59歳に当たるいわゆる団塊世代に1つの山があることが分かる。

 ただ、理由はそれだけではない。この世代の医師たちの就労意識も少なからず影響しているとみられる。58歳で志村ウィメンズクリニック(大阪市北区)を開業した志村研太郎氏は、「今の60歳と昔の60歳は全く違う。私のように『60歳で隠居するわけにはいかない。70代まで診療を続けたい』と考えて開業する人が多いのではないか」と話す。

 定年まで8年を残し、57歳でたかはし耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック(旭川市)を開業した高橋光明氏もこう語る。「病院にいれば少なくとも65歳までは好きな手術を続けられるが、70歳まで、できればそれ以降も仕事を続けたいので、いずれメスを置いて内科的な診療主体へと転換しなければならない。体力にも、精神力にも余裕がある今のうちに開業に打って出て、60歳代以降の基盤を作った方がいいのではないかと考えた」。

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