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勤務医も医賠責に入っておいた方が無難
森山 満(森山経営法律事務所)

2008/01/30

森山満氏。1991年に弁護士登録し、2001年、森山経営法律事務所を開設。医療訴訟では、医療機関側に立った弁護活動を行っている。

 勤務医にとって、医師賠償責任保険に加入するかどうかは判断に悩むところでしょう。「医療事故を起こしても、入っていなくて困ることはあまりないが、“安心料”として加入しておいた方がいい」。私はこうアドバイスするようにしています。

 医師個人が加入する医賠責には、日本医師会を通じて加入するものと、日医以外の民間の医賠責の2種類があります。いずれも、訴訟で負けた場合だけでなく、裁判上の和解や裁判外の示談までカバーされます。補償の上限は1事故につき基本的に1億円ですが、1億円超の部分をカバーするプランもあります。保険料は、日医医賠責は会費に包括されており、民間は年5万円程度です。

 医療過誤で勤務医が訴えられる場合、(1)勤務先の病医院の開設者と「共同被告」として訴えられる(2)勤務医だけ訴えられる(3)勤務医と開設者が別個に訴えられる──の3つのパターンがあります(図1)。

 (1)のケースで敗訴した場合、勤務医が医賠責に入っていなくても、開設者が加入している医賠責で損害賠償の支払いが賄われます。(1)で勤務医の医賠責加入のメリットが生じるのは、開設者の医賠責だけでは損害賠償額を賄いきれない場合です。例えば、病院の医賠責の補償上限が1億円で、1億2000万円の損害賠償が命じられた場合、勤務医が加入していれば、2000万円の不足分を(全額ではなく一部ですが)穴埋めできるのです。

 (2)のパターンで勤務医が敗訴した場合、医賠責に加入していなければ、損害賠償の支払いはすべて“自腹”です。(3)のケースで開設者、勤務医とも敗訴した場合、開設者が加入している医賠責が、勤務医の損害賠償分もカバーする内容になっていなければ、勤務医は自らの損害賠償金を支払わなければなりません。

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