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連載●患者の「語り」を医療に生かす ― Narrative-based Medicine ― 《3》
患者の語りをデータベースにする「DIPEx」

 DIPExディペックス)とは、Database of Individual Patient Experiencesの頭文字を取った名称。直訳すると「個々の患者の疾病体験を集めたデータベース」ということになる。英国オックスフォード大学のグループが、2001年から行っているプロジェクトだ。

 ユニークなのは、患者本人が体験を語っている様子が、ビデオで、しかもインターネットで公開されている点だ。それは、患者の「ナラティブ」そのものである。患者へのインタビューは、社会調査に詳しい研究者が行い、結果も質的研究の手法にのっとってまとめられているので、学術的にも質が高いのが特徴だ。

 DIPExのウェブサイトでは、「乳癌」「関節リウマチ」「高血圧」などの疾患ごとに、全部で1000人以上(1疾患当たり35~55人程度)の患者の体験談が、ビデオのほか、音声、文字の3通りの方法で見られるようになっている(写真1)。体験談を、「診断」「治療」「療養生活」などの項目別に分類したものを読むこともできる。英国では、市民の医療・病気の情報源として、既に高い評価を得ており、月に200万件のページビューがあるという。

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