日経メディカルのロゴ画像

連載●患者の「語り」を医療に生かす ― Narrative-based Medicine ― 《2》
闘病記は患者の「ナラティブ」だ

 「私たちの愛」、「妻と私」、「ありのまま」、「女はみんな華になれ」…。

 これらが皆、闘病記の書名であると分かった人は、かなりの闘病記オタク(?)と言えるかもしれない。ちなみにこれらは順に、乳癌(田原総一郎・田原節子著)、肺癌(江藤淳著)、脳出血(真屋順子・高津住男著)、更年期障害(黛ジュン著)の体験をつづった闘病記だ。

 闘病記自体は昔からあるが、書名から内容(病名)を知ることが難しいこと、自費出版や小部数出版が多いことなどから、きちんと体系付けられてこなかった。このため、公共図書館でも、医学、文学、ノンフィクション、エッセイなどの棚にばらばらに分類され、せっかく多くの闘病記が出版されているのに、読者の目に触れる機会が少ないのが現実だった。

 それを、患者が病気や療養生活について知るためのよい資料になると気付き、病名別に分類し直して一つの“棚”にまとめたのが、「健康情報棚プロジェクト」という民間の研究グループだ。2004年から活動を行っている。

この記事を読んでいる人におすすめ