日経メディカルのロゴ画像

【連載◆「医者の不養生」Vol.3】
こんなヘトヘトに誰がした!
厚労省?病院幹部?それとも自業自得?

 医師の8割が自分を“不養生”と感じ、寸暇を見付けて眠るギリギリの毎日であることが分かった(Vol.2「眠い、疲れた、休みたい…でも」参照)。医師たちは、どうしてこんな悪循環になってしまったと認識しているのか、また、どうすればこの状況が解決できると考えているのか。自由記述欄に寄せられた696人のコメントから、その答えを探した。

なぜ、これほど過酷な環境になったのか
 医師の労働環境がますます厳しくなるのはなぜなのか。新しい業務が増える一方で、仕事を合理的に分担するなどの改善が行われず、「我慢と頑張りで乗り切れ」という上司をはじめとした職場の意識も変化しないため、ずるずると労働環境が悪化していることがうかがえる。

◆「コメディカルでもできるような雑用が多すぎる」(40歳代、小児科、国公立病院勤務医)

◆「大学教員に課せられた業務があまりにも多岐にわたり、多すぎる」(40歳代、その他の科目、大学病院勤務医)

◆「大学病院に勤めていると、診療以外に教育、研究、症例検討などの時間が長い。職場では勤務実態調査を行っているが、実診療時間しか調査していない。超過勤務、休日出勤のほとんどは“研究”にされている」(30歳代、皮膚科、大学病院勤務医)

◆「直接患者に触れる実質の診療時間は以前より減ったのに、それをする前の説明時間や家族を待つ時間が大幅に増えた。肉体的疲労より、患者サイドにどう対応するかあれこれ検討する精神的疲労が増えた」(47歳、外科、診療所勤務医)

◆「専門が細分化され、自分の専門領域の急患で呼び出されることが以前よりも増えている」(40歳代、外科、大学病院勤務医)

◆「『上司が働いているのに、休みを増やすことなどもってのほか』という気質が医者同士の間に根付いている気がする。休養を取ることに対して、お互いがどこか批判的な目で見ており、労働環境を改善していこうというスタンスが具体的に見えない。医療ミスの原因として、疲れや寝不足なども原因の一つに挙げられる。それをよく考えて、精神論だけではなく、人として健やかに生活すればこそ最高のパフォーマンスが成せる、という発想になってほしい」(20歳代、産婦人科、その他の病院勤務医)

◆「どんなに努力しても仕事は減らない。不公平を訴えても理解されない。上に立つ人間の意識が変わらなければ職場環境は変わらない」(40歳代、麻酔科、大学病院勤務医)

◆「10年前に比べると勤務医の仕事量は実質的に倍以上になっている。医師の数を増やさなければ、医療内容を低下させるしかない。個人レベルの時間のやりくりで解決できる状況ではない」(60歳代、脳神経外科、国公立病院勤務医)

◆「特に先輩方は、医師の仕事は報酬や労働基準法とは関係なく、患者のために自己犠牲を払い、感謝され尊敬されることでよしとする崇高な精神の下で行なわれるべきだと考えている。われわれはそう教育されてきた。しかし今は、自己犠牲は強要され、感謝され尊敬されることがない。これが医師の疲弊を生んでいる」(40歳代、内科、診療所開業医)

◆「医師は聖職者意識が強すぎて、自分で自分がコントロールできなくなることがあるのではないか。自分が疲れていても、『そんなことを医者が言ってはいけないのではないか』『患者を眼の前にして弱音を吐いてはいけない』などと自分で自分を締め付ける傾向があると思う」(50歳代、形成外科、私立病院勤務医)

この記事を読んでいる人におすすめ