「もはや、医師会や学会などの既存の組織に、日本の医療を任せておけない」──。そんな思いを募らせた勤務医のメンバーが集まり、勤務医の医師会ともいえる新組織を発足させようとしている。医療を脅かす様々な問題の渦中に置かれ、医療崩壊を肌で感じている彼らが、ついに行動を起こし始めた。
組織の名は「全国医師連盟」。今はまだ設立準備委員会を立ち上げたばかりだが、既にネットを経由してこの動きを知った医師を中心に、140人程度が登録している。来年1月13日に決起集会を東京で開催し、4月には何らかの法人格を備えた団体として正式に設立することを目指す。虎の門病院の小松秀樹氏が「勤務医の医師会を作るべきだ」と訴えた(2007.11.19 小松秀樹が語る「日本医師会の大罪」)が、まさにこの言葉に呼応するかのようなタイミングである。
設立準備委員会の代表者になっているのは、真珠園療養所(長崎県西海市)に勤務する黒川衛氏。内科医として、また准教授として長崎大に勤めていた同氏は、この準備委員会の世話人になるため同大を辞め、比較的時間の取れるこの療養所に勤務先を移した。黒川氏に、組織立ち上げの経緯と目的を聞いた。
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