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【日経メディカル11月号特集連動企画◆外来で診る やっかいな咳 Vol.2】
スパイロメーターなしで、どうCOPDを疑うか
国際家庭医学会が作成したCOPD簡易質問表の威力

 「数日前から微熱があって、咳や痰もひどいんです」──。

 寒さが急激に増すこの季節は、こんな訴えで来院する患者も増える。藤沢市民病院(神奈川県藤沢市)呼吸器科医長の西川正憲氏の元に来院した67歳の男性もそんな1人だった。西川氏が詳しく問診すると、「年のせいでしょうか。実は10年以上前から空咳や息切れがありました」と言う。喫煙歴を確認すると、30歳から65歳まで1日10本吸っていた。

 このような患者が来院したときに、まず疑うべき疾患にCOPD慢性閉塞性肺疾患)がある。西川氏によれば、COPD患者の半数が急性上気道炎をきっかけに受診するという。「特に中年以上で喫煙歴がある上気道炎患者では、COPDが隠れていないか疑ってほしい」と西川氏。

 COPDは、喫煙などで起こる肺の炎症反応が原因で気道の閉塞や肺胞の破壊が起き、進行性の気流制限を呈する疾患だ。代表的な症状は、冒頭の症例のように慢性の咳嗽や喀痰、労作時の呼吸困難など。長期間の喫煙歴があればCOPDである疑いはさらに高まる。

 COPDを疑った場合に必須となるのが、スパイロメーターによる肺機能検査。気管支拡張薬を投与した後で、1秒率(1秒量÷努力性肺活量)が70%未満ならば気流制限があるとされ、気管支喘息や気管支拡張症といった気流制限を来す疾患を除外した上で診断される。だが、一般の診療所におけるスパイロメーターの普及率はいまだ10数%と低く、患者の拾い上げに結びつきにくいのが実情だった。

注目集める「COPD簡易質問表」
 そんな中、プライマリケアでの拾い上げに有効な手段として「COPD簡易質問表」が注目されている(下表)。この質問表は、世界一般医・家庭医学会のワーキンググループが2005年に発表した「慢性気道疾患プライマリ・ケア医用ガイド」の日本語版。久留米大呼吸器・神経・膠原病内科主任教授の相澤久道氏らが翻訳した。

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