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【日経メディカル11月号特集連動企画◆外来で診る やっかいな咳 Vol.1】
先生は鎮咳薬を使いすぎていませんか?

 「咳がなかなか止まりません…」日常診療では毎日のように長引く咳を訴える患者が来院する。咳は、患者の主訴の中で最も多い割合を示す症状で、その背後には、様々な疾患がある。

 例えば3週間以上続くような長引く咳で、胸部単純X線写真に異常が見られないものに絞っても、感染後咳嗽、気管支喘息、咳喘息やアトピー咳嗽、慢性閉塞性肺疾患…など多種多様だ。

 確かに多忙な外来では、喘鳴が診断につながる喘息以外では、なかなか鑑別に至らないのが実情だが、昭和大富士吉田教育部教授の田中一正氏は「実際には“長引く咳”としてすべてが一括りにされ、一律に鎮咳薬が長期間投与されている症例が少なくない」と指摘する。

 例えばこんな調査結果がある。田中氏が、2005年末に慢性咳嗽研究会に所属する医師90人を対象に、長引く咳の診療に対する実態調査を行った。回答した医師75人の4割が呼吸器またはアレルギーの専門医だったが、長引く咳の治療薬で最も使われているのは鎮咳薬であることが明らかになった(図)。

 しかも処方率は専門医、非専門医ともに6割と同程度だった。田中氏は「鎮咳薬は必要な場合ももちろんあるが、投与しても2週間以上続く場合は、別の疾患や病態を疑って精査を進めるべきだろう」と指摘する。

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