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3次元エコーは乳癌検診を変えるか
検査精度の向上により、早期発見を期待

 乳癌検診はマンモグラフィーと視触診が基本だ。しかし現在、その弱点を補う目的でエコーの併用が注目を集めている。

 マンモグラフィーでは、脂肪は黒く、癌組織は白く映し出される。だが、乳腺も白く映ってしまうため、乳腺が退縮する前の若年層では乳癌の判別が困難なことがある。そこで乳腺の影響を受けないエコーを若年層の乳癌検診に併用する考えが浮上してきた。

 だが、エコーを併用することで検診の効果が上がったというエビデンスは現在のところ存在しない。このため、厚生労働省は「がん戦略研究」の1つとして「乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験」を今年度から開始し、検診でのエコー併用の有効性を検討している。

 一方、エコーを検診に導入する際、現場で問題となるのは検査技術の標準化だ。通常のエコーは検査者がプローブを動かし、その場で異常を発見しなければならない。そのため、検査者の技量によって検査の精度が大きく左右されてしまい、偽陽性が増えて無駄な再検査が多くなる。さらに、プローブの当て方で画像が異なるため、2度と同じ画像が撮影できず、乳房すべてを1回で撮影することが可能なマンモグラフィーと比較して再現性に難がある。

 これらの問題を技術面から解決しようという動きが出てきた。それが3次元エコーである。超音波スキャンおよび処理能力が向上した結果、2次元エコーのプローブを高速で振動させることで多方向に超音波を出し、得られた2次元画像を再構成して3次元画像が得られるようになった。日本では現在、3次元エコーは乳癌検査用としては使用されていないものの、今年4月にはGEヘルスケアが産婦人科向けに発売、東芝メディカルシステムズも循環器科向けに開発を進めているなど、エコーの最新技術として注目を集めている。

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