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【日経メディカル9月号特集連動企画◆「後期高齢者」どう診る、どう付き合うVol.12】
不顕性誤嚥を拾い上げるには

 加齢に伴う嚥下機能咳反射の低下は避けられず、ほとんどの高齢者が、多かれ少なかれ誤嚥を起こす可能性がある。そして誤嚥は、気管や肺に口腔内の雑菌を流入させ、誤嚥性肺炎を引き起こす原因となる。

 誤嚥を予防するためには、食後座位の維持や口腔ケアなどの対策が有効。そのため超高齢者を診る際には、誤嚥のリスクの高い患者を拾い上げて患者指導することが重要になる。

 「誤嚥の患者で最も多い主訴は体重減少。そのほか食事時間の延長などが見られたときも誤嚥を疑うべき」と、在宅医療で多くの高齢患者を診ている梶原診療所(東京都北区)在宅事業部長の平原佐斗司氏はアドバイスする。食事中の咳やむせのほか、肺炎を繰り返したり、間欠的に発熱する患者も誤嚥の可能性が高いという。

 誤嚥や不顕性誤嚥を拾い上げるために、平原氏は「空嚥下」を実施している。これは「私が『はい』と言ったら、“ごっくん”してください」と患者に説明し、「はい」と言ってから1秒以内に嚥下反射が起こるかどうかを見るというもの。嚥下に1秒以上かかった場合は、嚥下障害の可能性がある。

 さらに、現場で簡単にできる検査として平原氏は、「30cc水飲みテスト」を勧める。比較的健康な高齢者に対するスクリーニングに向いているという。

 患者をいすに座らせて、常温の水30ccを飲ませながら、その様子や時間を観察する。5秒以内にむせることなく1回で飲めた場合は「正常」。2回以上に分けるが、むせることなく飲めるのが「疑い」。1度でもむせたり全量飲むことが困難な場合は嚥下障害の可能性が高いと判断できる。

ネブライザーで咳反射をチェック
 このほか東北大老年呼吸器科准教授の大類孝氏は、「嚥下反射時間の測定」と「咳テスト」で誤嚥・不顕性誤嚥のスクリーニングを行っている。

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