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連載●変わる「慢性疲労症候群」の診断指針《下》
慢性疲労症候群、治療はどうする?

関西福祉科学大の倉恒弘彦氏

 「新しい慢性疲労症候群の診断指針は、これまでの診断基準に比べると、より具体的に手順が示されている。慢性疲労症候群を多く診ている医師でも、一般の内科医でも、これからは同じ診断結果が得られるはずだ」。関西福祉科学大教授で大阪市立大客員教授の倉恒弘彦氏は、新しい診断指針について、こう説明する。では、いざ慢性疲労症候群と診断がついたら、どのように治療を進めればよいのだろうか。

 倉恒氏は、「まず、患者の悩みをしっかり聞くこと。そして、『数多くの同じような患者さんがいる。決して詐病などではない』とはっきり伝えてあげることが重要」とアドバイスする。慢性疲労症候群の患者は働きたくても働けないのだが、そのことを周囲に理解してもらえないため、2重の苦しみに苛まれていることが多い。倉恒氏の元には、毎月20人程度の新患が訪れるが、患者をポジティブな気持ちで治療に向かわせるため、初診には約30分かけているという。

 倉恒氏の治療のベースは、漢方薬(補中益気湯など)とビタミンC、ビタミンBの投与だ。効果について明確なエビデンスが得られているわけではないが、倉恒氏によると改善が見られる患者も多いようだ。半年ほど試して効き目がなければ、さらにSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などを処方しているという。

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