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【日経メディカル9月号特集連動企画◆「後期高齢者」どう診る、どう付き合うVol.10】
追加?のときこそ減らす! 処方薬の見直し方

 今年7月、生協浮間診療所(東京都北区)の藤沼康樹氏の元に、75 歳の男性が訪れた。「最近呆けてきたのではないか」と心配した家族に連れられて来たのだ。

 藤沼氏が問診をとると、心房細動と高血圧があり、とある病院の循環器内科で血圧、心臓関連の薬が5種類とドネペジル(商品名アリセプト)が処方されていた。以前に胃癌の手術を受けた癌専門病院では胃薬と便秘薬。腰痛で毎日通院している自宅近くの整形外科では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とカルシウム製剤、ビスホスホネート製剤。眼科、耳鼻科、皮膚科などからも薬が処方され、合計すると、なんと15種類以上だった。

 一方で、認知症はかなり進行しており、本人が服薬を管理するのは不可能な状態。家族に聞くと、自宅には飲み残した薬がスーパーの買い物袋2つ分はたまっているという。

 藤沼氏はまず、この患者の問題を整理し、認知症に対してはデイケアなどを導入。薬は6剤に減らし、服薬時間についても家族が介助できる朝と就寝前の2回にまとめた。

ずっと処方が変わらない患者は要注意
 各診療科でバラバラに多数の薬剤が処方され、結果的に副作用飲み忘れが問題視されている高齢者。主治医には、出ている薬を把握し、総合的な視点で取捨選択することが求められている。

 特に一度見直したいのは、ずっと処方が変わらない患者や、有害作用の発現頻度が急増するといわれる6剤以上の薬剤を処方されている患者だ。

 杏林大高齢医学教授の鳥羽研二氏は、「ライフステージが変われば、薬に期待することも変わってくる。高齢になるほど、あとどのくらい生きられるか、一番困っていることは何なのかを考えることが大事。その上で、個々の患者にとって優先順位の高い薬剤に絞っていくとよい」と話す(表1)。

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