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【日経メディカル9月号特集連動企画◆「後期高齢者」どう診る、どう付き合うVol.6】
治療が必要な便秘とは?

 高齢者は、大腸の蠕動運動や排便時に必要な腹圧の低下、摂食量や食物繊維摂取量の減少、直腸壁の知覚の鈍化などによって、便秘に悩むケースが多い。

 大阪北ホームケアクリニックの藤田拓司氏によると、同クリニックが往診している患者のレセプトを調査したところ、便秘の診断名が最も多く、患者の61%に認めたという。社会保険中央総合病院大腸肛門病センター医長の山名哲郎氏も、「便秘のQOLへの影響はかなり大きい。特に男性は若いころに便秘を経験している人が少ないだけに、ひどく不快感を訴えてくるケースが多い」と話す。

 しかし一方で、排便回数や便の量が少ないことが便秘であると思い込んでいる患者も多い。藤田氏は、「高齢者は、食べる量が減ったり、胃瘻栄養のために排泄量が減っている。だから毎日出ないことが問題なのではなく、たまっていることが問題と考える。治療するのは、『腸管内に糞便が貯留した状態で、かつ腹痛などの症状を伴う場合』と、『息んでも便が出ないなど排泄が困難な場合や、硬便のため排便時に痛みを伴う場合』」とアドバイスする。

高齢者では弛緩性便秘と直腸性便秘が多い
 ひとくちに便秘といっても、大腸狭窄など器質性の便秘や、脳梗塞など基礎疾患が関係するもの、抗コリン薬などが腸管の動きを鈍くして起こる薬剤性の便秘、腸の蠕動運動の低下など機能性の便秘など原因は様々。それぞれの病態に応じた薬の使い分けが必要になる。

 高齢者では特に、機能性の便秘の中の「弛緩性の便秘」と「直腸性の便秘」が問題になることが多い(表1)。

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