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【インサイド病院倒産vol.5】
見いだしにくい沈静化の材料
療養病床、過剰な債務、次期改定……難問山積み

 首都圏に大きなツメ跡を残した台風9号は去ったが、医療界を襲っている倒産の嵐はまだ過ぎ去ってはいない。8月分の倒産集計の発表はまだだが、既に大分県の上人会と大阪府の凰林中央会、2つの医療法人が民事再生法の適用を申請したことが明らかになっている。

 果たして、この後も医療機関の倒産は高い水準で発生し続けるのか? それとも落ち着きを見せるのか? 最終回では、倒産の多寡を左右する様々な要因を分析し、今後の動向を占ってみる。

行き先定まらぬ療養病床
 2011年度末までに、療養病床は、介護保険適用は全廃、医療保険適用は15万床に削減される。昨年4月の診療報酬改定で、医療必要度に応じた点数が導入されて経営状態が悪化し、既に自己破産に追い込まれた病院も出ているのは、この連載のvol.2「制度改革の波に飲まれた療養型病院の倒産劇」でも紹介した通りだ。

 厚生労働省は療養病床の行き先として、老人保健施設や有料老人ホームなどを提示し、移行へのインセンティブを与えてきた。しかし、今年5月末時点で、病院だけでまだ34万6000床余りの療養病床が残っている。しかも、3カ月単位で減少数を見る限り、転換のペースが上がってきているとは言い難い状況だ(表1)。

 今後、医療必要度の高い患者が思うように集まらず、他施設への移行にも踏み切れない療養型の病院の中から、倒産、特に自己破産に踏み切るところが出てくる可能性は高いだろう。

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