日経メディカルのロゴ画像

【日経メディカル8月号特集連動企画◆顕在化する医師の過労死Vol.2】
ほぼ毎日オンコール、就寝中に突然死す

CASE-1◆A氏

 北海道の旭川市から約50kmほど北に離れた士別市。当時31歳のA氏は、この地域の基幹病院である士別総合病院で、研修医として小児科に配属され、研さんを積んでいた。

 突然の死は、医局人事で士別総合病院から富良野協会病院に転勤した直後に訪れる。転勤して5日目の2003年10月5日、休日だったその日もいつものようにオンコールで呼び出され、新生児の処置を行っていた。診療を終えてA氏が病院から帰宅したのは夜8時半ごろ。その日は疲労のためか、夜10時には眠りに入った。

 就寝中の午前2時ごろ、突然大きないびきをかき始める。妻が異変に気付いて呼びかけたが、応答はない。すぐに勤務先の富良野協会病院に運ばれた。懸命の蘇生措置が取られたが、そのまま意識を取り戻すことなく、午前4時、死亡が確認された。

 死因は、心原性ショックである。妻と1歳半の長女を残し、31歳の若さで逝った。

 A氏は自宅で妻に幾度となくこう言っていたという。「このままでは過労死するかもしれない。そうしたらきちんと労災申請してね」。この言葉は、現実のこととなってしまったのである。

この記事を読んでいる人におすすめ