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【インサイド病院倒産◆Vol.2】
制度改革の波に飲まれた療養型病院の倒産劇
医療区分導入で38%の大減収、破産に追い込まれる

昨年の診療報酬改定で痛手を受け、破産に追い込まれた北海道洞爺湖町の医療法人円友会松井病院(3月撮影)。

 「破産者は、入院患者数はほぼ満床状態で推移し、それなりに経営を持続してきていた。ところが、2006年4月と7月に診療報酬が患者の医療区分ごとに分けられるように設定され、入院患者のほとんどが最も低額な医療区分に該当することとなった。破産者は、入院患者の診療報酬を収入の基盤として維持してきたものであり、診療報酬の大幅な減収は、事業そのものの続行を困難にさせるところとなった」――。

 これは、今年2月に破産開始決定を受けた、北海道洞爺湖町にある医療法人円友会の破産管財人を務める弁護士が、債権者にその財産状況を説明するために配布した文書からの抜粋だ。本誌が債権者筋から独自に入手した。破産の最大の原因は、昨年の診療報酬改定で、医療保険適用の療養病棟に導入された医療区分に応じた入院料の設定にあると指摘している。

 経営に行き詰る医療機関がじわりじわり増加している。今年上半期の医療機関の倒産は、帝国データバンクの調べで31件。既に昨年1年間の30件を上回っている(関連記事「医療機関の倒産、半年で30件に」)。

 今年の特徴は、これまで堅実に経営してきた病院や診療所の中から、制度改正が主な原因となって、民事再生や破産に追い込まれるところが出てきたことだ。冒頭で紹介した北海道の医療法人円友会は、その典型的なケースだと道内の医療関係者の多くが見ている。

 円友会は、洞爺湖町で98床の松井病院を開設していた。すべてが療養病床で、うち77床が医療保険適用、21床が介護保険適用だった。犬や猫などを活用する「アニマルセラピー」を高齢者ケアに取り入れるなど、真面目に医療・介護に取り組んでいたもようだ。

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