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医療機関に影響大のパートタイム労働法改正
正職員と同等の扱い求められるケースも

 パートタイマー労働条件の改善や、正職員への転換推進などを目的とするパートタイム労働法の改正案(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)が、5月25日の参議院本会議で可決され、成立した。大半は来年4月1日から施行される。

 パートを多数雇用しているのは外食産業や流通業だが、こうした業種以上にこの法改正の影響を強く受けそうなのが医療機関だ。この法律は、パートを3区分して、正職員との差別的な取り扱いを禁止したり、釣り合いの取れた取り扱いの努力義務を課しており、看護師や薬剤師のように国家資格を持つパートが多い病院や診療所では、事業主により厳しい責務が課せられることになるからだ。

 例えば、賃金の決定や教育訓練の実施などについて、差別的取り扱いが禁じられる「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」の要件は表1の通り。詳細はこれから出される解釈通知に委ねられているが、(1)の業務の内容や責任の程度に関しては、「資格職種であれば正職員と似てくるだろう」(厚生労働省雇用均等・児童家庭局)という。

 となれば、(2)と(3)の条件さえ満たせば、「同視すべき」に該当するわけだ。(3)の要件は抽象的だが、人事異動や転勤、昇進など、人材活用の仕組みが正職員と同じパートを指すと同局は説明する。

 医療機関で働くパートの薬剤師や看護師は、(3)には該当せず、「同視すべき」に当たらないケースが多いと思われる。しかし、(1)に該当すれば「職務内容同一短時間労働者」に当たり、事業主に原則として正職員と同じ教育訓練を実施する義務が課される。一般のパートの場合は努力義務で、「有名無実」にできなくもないが、「義務」であればそうはいかない。加えて薬剤師や看護師には、パートといえども向上心のある人が少なくないことから、医療機関の経営者は適切な対応を取る必要に迫られるだろう。

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