血栓溶解薬アルテプラーゼ(t-PA)が持つ最も大きな弱点は、何といっても時間の壁だ。発症後3時間以内に使わなければならないという制約がある以上、いくら医療機関側が体制を整えていても、患者がすぐに病院に運ばれてこなければ意味がない。
血液検査や重症度の判定など、投与前に必要な幾つもの事項を確認するのには1時間近くかかるため、実質的には患者は発症後2時間以内に搬送される必要があるが、そのような患者は全体から見ればまだ3~4割程度といわれている。
しかしこの時間の壁も、今後、数年以内にある程度は解決できる見通しが立ちつつある。発症後9時間まで投与が可能な血栓溶解薬のデスモテプラーゼが、海外の臨床試験で有望な結果を出しているからだ。
海外第2相試験で好結果
デスモテプラーゼは、南米に生息するチスイコウモリの唾液に含まれるプラスミノーゲン・アクチベーターをもとにして、遺伝子組み換えにより作られた血栓溶解薬。
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。