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【日経メディカル2月号特集連動企画◆FD(機能性胃腸症) 】
胃もたれにも胃酸が関与

 癌でも潰瘍でもない、胃食道逆流症(GERD)でもない--。器質的な異常のない上腹部症状を訴える機能性胃腸症FD)患者にどう対応するかは、プライマリケア医の腕の見せどころだ。

症状では分けられない
 FDには、胃の排出能遅延、貯蓄能異常、知覚過敏など、幾つもの原因が提唱されており、患者の訴えも様々。治療では訴えに応じていろいろな“胃薬”が使われているが、FDのメーン症状の胃痛胃もたれに関しては、「胃痛には酸の関与を疑って酸分泌抑制薬」「胃もたれには胃の運動不全を疑って消化管運動機能改善薬」という考え方が臨床現場では一応浸透している。

 しかし、FDの病態と症状は複雑に絡み合っており、そう簡単に結び付けられるものではない。それを裏付ける事実の1つとして最近、胃もたれにも酸が関与しているという研究結果が国内外で報告されている。
 
 従来から「胃もたれ」「早期膨満感」など食事に関連する症状は胃の運動不全が原因と考えられてきたが、最近は運動不全にも酸が関与していることが定説となりつつある。例えば、塩酸を十二指腸に流し込むと、胃の排出能および拡張能が低下し、それに一致してもたれや吐き気、胃痛といった症状が生じる。

 「胃もたれを主訴とする患者に酸分泌抑制薬を投与して、症状が軽減するケースは多い。日本でもFDの第1選択薬に酸分泌抑制薬を投与する医師は増えており、今は消化管運動機能改善薬と半々くらいではないか」と島根大消化器・肝臓内科学教授の木下芳一氏は話す。

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