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【日経ヘルスケア1月号●診療所経営相談室より】
待ち時間改善のため予約システム導入を検討
予約の取り方に一工夫、順番待ちシステムも有用

2007/01/10
日経ヘルスケア

【質問】
 開業から1年余りがたって患者は順調に増えているのですが、半面、診察までの待ち時間が長くなってきました。このままでは患者が不満を募らせるのではないかと心配です。そこで、予約受付システムを導入して、待ち時間を短縮したいと思っているのですが、その際にどのような点に注意すべきでしょうか。
(内科、41歳)

【回答】
 予約の間隔に余裕を持たせる
(回答者:田中 徳=(株)西日本総研 シニアマネージャー)

 診察待ちの時間が長くなると患者は不満を抱き、通院先を変えかねない。このため、診療所にとって、待ち時間の短縮は大きな課題の一つとなっている。

 その解決策として挙げられるのが、予約受付システムの導入だ。電話やインターネットなどを使い、患者に診察の希望日時を予約してもらうことで、来院患者の集中を防ぐシステムである。

 ただ、患者の状態によって診察時間の長さはまちまちで、実際には予約通りに診療を進めるのは難しい。加えて、直前にキャンセルしたり、予約なしで来院する患者も少なくなく、診察時間の調整には手間がかかる。これらにうまく対応できず、システムを入れたのに待ち時間短縮の効果がないと、逆に患者の不満は一層募ることになる。

順番待ちシステムの導入も検討
 このような事態に陥らないように、臨機応変に予約制を導入したい。

 予約制にした場合に注意が必要なのが、風邪やインフルエンザなどの急性患者への対応。診察時間帯をすべて予約で埋めてしまうと、急な来院に対応するのが難しくなるからだ。

 こうした問題に直面しないように、予約患者の診療時間の間隔は比較的余裕を持って設定したい。例えば、日ごろ、患者1人当たり6分かけて診察しているとすると、1時間に最大10人の予約を受けられる計算になるが、これを6~8人ほどに抑えるようにする。そうすれば、診療に余裕ができ、急患も十分に受け入れられるはずだ。

 このほか、予約を受けない時間帯を設ける手もある。例えば、午前中は直接来院した患者の診察に当てて、午後は予約制にするといった形だ。

 また、電話予約の場合は自動音声に沿って簡単に予約できるようにしたり、電話やインターネットからだけでなく窓口でも予約を受け付けるようにするなど、誰でも容易に利用できる仕組みにしなければならない。「予約方法がわかりにくい」といった理由で来院患者が減ってしまっては元も子もない。

 なお、予約受付システム以外に、順番待ちシステムの導入も検討に値する。インターネットや携帯電話などから患者に受付手続きをしてもらい、その時点での診察の順番を知らせるものだ。

 患者が混雑状況を知り、時間を見計らって来院できるので、診察までの待ち時間を無駄にしなくて済む。順番が近くなると、メールや電話などで通知する機能があるシステムも販売されている。

 順番待ちシステムの場合、診療時間を指定しないので、それまでの診察が幾分長引いても患者の理解を得やすい上、急患を優先的に診ることへの抵抗感も少ない。このため、実際には、予約システムよりも順番待ちシステムを導入するクリニックの方が多いようだ。

 ただし、予約システムと同様、窓口でも現時点の診察順を知らせるようにするなど、患者の利便性を第一に考えて運営しないと利用が促進せず、システム導入が無駄になる可能性があることを肝に銘じておきたい。

【まとめ】
・直接来院する患者もスムーズに受け入れられるように、予約患者の診療時間の間隔に余裕を持たせたり、予約を受けない時間帯を設ける。
・電話予約を自動音声応答にしたり、窓口でも予約を受け付けるようにするなど、患者の利便性を第一に考える。
・診察時間を指定せず、それまでの診療が幾分長引いても患者の理解を得やすい診察順番待ちシステムの導入も検討する。

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