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【日経ヘルスケア 10月号●診療所経営相談室より】
スタッフの慰安旅行を計画するには?
日帰り・海外なども検討、企画を職員にゆだねるのも手

2006/10/08
日経ヘルスケア

【質問】
 開業して1年ほどがたちました。スタッフの日ごろの働きぶりに報いるため、慰安旅行を実施したいと思っています。昔なら温泉などに行って宴会をするのが一般的でしたが、最近の若い職員には好まれないのではないかと悩んでいます。行き先や日程などをどうやって決めればよいでしょうか。
(内科、41歳)

【回答】
 日帰りなどでの実施も検討。
(回答者:寺田 孝英=総合メディカル(株)執行役員)

 生活が豊かになり人々の価値観が多様化している現在、慰安旅行のとらえ方も人によって様々になっている。温泉に行って宴会をするといった、高度成長期のころのような画一的な内容では喜ばれなくなっているのが現状だ。

 慰安旅行を完全にやめてしまうのも一つの選択肢だろうが、職員の日ごろの働きぶりに報いるために実施すること自体は決して悪くはなく、問題はその中身だ。少しでも多くのスタッフに楽しんでもらえるような工夫を凝らしたい。

職員の希望を反映すべき
 まず、慰安旅行といえば泊まりで行く印象が強いが、日帰り旅行やパーティーなどの形式にしてみてはどうだろうか。宿泊となると、職場で一緒の人たちと過ごす時間がどうしても長くなり、仕事の延長のように思えてリフレッシュできない職員もいるだろう。こうした本末転倒な事態を防ぎたいのであれば、宿泊を伴わない企画を検討するとよい。

 例えば、日帰りで東京ディズニーランドに出かける、高級レストランで食事を楽しむ、普段は行く機会の少ないナイトクルージングでディナーパーティーを開催する─など、様々なプランが考えられるだろう。マンネリ化しないようにバリエーションのある企画を立てて、定例化できるようにしたい。

 なお、宿泊旅行にするのであれば、数年に1回の割合で海外旅行に連れて行くのもよい。実施頻度が低ければ受け入れられやすいし、若い職員には、国内旅行は嫌だが海外なら行きたいと考える人が少なくない。海外旅行の場合、ある程度まとまった日数が必要になるので日程の調整が難しいが、連休の期間を利用するなど工夫すれば実施は可能だろう。

 さらに、研修と組み合わせるのも一つの手だ。例えば、国内で開催される学会や研修会などに派遣したり、他の医療機関を見学させ、それ以外の時間は、観光など自由に過ごしてもらえばよい。ただ単にスタッフに楽しんでもらうだけでなく、知識や技能を身に付ける機会を持てるので、クリニックにとってもメリットが大きいはずだ。

 行き先や現地での行動計画などについては、スタッフ同士で話し合って決めてもらってもいい。院長は、予算や日程といった基本的な部分だけ職員に伝え、その範囲内で計画を立ててもらうわけだ。そうすれば、従業員も楽しみを持てる上、話し合いをする中で親睦も深められる。いずれにせよ、スタッフの意見を全く無視して慰安旅行の内容を決めるのは避けるべきだ。

 なお、慰安旅行の費用を福利厚生費として処理できる要件もしっかり確認しておきたい。具体的には、(1)旅行期間は4泊5日以内、(2)旅行に参加する役員・職員数は全体の50%以上、(3)1人当たりの負担額はおおむね10万円以下──などとなっている。これらの要件を満たさなければ、交際費や給与とみなされ、法人のみならず従業員の税負担が増えることにもなりかねない。

【まとめ】
・宿泊旅行にすると、職場の人と過ごす時間が長くなり、仕事の延長ととらえられがち。テーマパークを訪れるなど、日帰り企画も検討すべき。
・予算や日程といった基本的な部分だけ提示し、行き先などは職員に決めてもらう方法も。スタッフの希望を聞かずに決定するのは避ける。
・費用を福利厚生費として処理できる要件を確認しておく。交際費や給与とみなされれば、法人のみならず従業員の税負担が増えることも。

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