日経メディカルのロゴ画像

眼科で発見された意外な疾患とは
答えは肺外結核(結核性リンパ節炎)、初診から診断確定まで9カ月を要した1例

東京医大第1内科の伊藤良和氏は「リンパ節の腫れから腫瘍と感染症両方の可能性を考慮して様々な検査を行ったが、培養検査で陽性が判明するまで苦労した」と話す。

 東京医大第1内科講師の伊藤良和氏の下には、9カ月もの間、原因不明の様々な症状に悩まされた患者Y氏(26歳男性)がいる。

 最初に症状が出現したのは、2005年3月のこと。Y氏は38℃の発熱と全身倦怠感を感じて近くの内科診療所を受診し、風邪と診断された。大学院の卒業旅行の疲れが出たせいでそのうち治るだろうと様子を見ていたが、風邪薬を飲んでも一向に治らなかった。3週間が経過しても症状が続いたことから、4月下旬、今度は地元の病院や大学病院の総合内科を受診したが、また風邪と診断された。

微熱と倦怠感が何カ月も続く
 そのうち、足の裏や膝、足首などの関節が痛み出し、歩行に支障を来すほどになった。朝起きてから一歩も歩けず、会社を休んだ日もあった。靴のサイズが合っていないのかと考え、靴を変えてみたが症状は改善しなかった。インターネットで調べて、膠原病を疑い大学病院の整形外科を受診して様々な検査を受けたが、原因は分からないといわれた。そのころは毎日、整形外科で処方されたロキソプロフェン(商品名:ロキソニン)で痛みを抑えて日常生活を送っていた。

 その後も微熱が続き、何をするにも体がだるく、すぐに疲れた。Y氏はその4月に社会人になったばかり。上京してこれからと張り切っていた矢先に、このようなことになり精神的にもこたえた。週末は体力を回復するためにひたすら眠って過ごしたが、どんなに寝ても改善しなかった。寝汗がひどく、目が覚めるとパジャマや寝具がぐっしょりぬれていることもしばしばだった。7月になっても症状は改善せず、継続して通っていた内科診療所や地元の病院で、「どう考えても風邪ではない」と訴えたが、取り合ってもらえなかった。さらに8月下旬には鎖骨の上のリンパ節に腫れを覚えるようになった。

この記事を読んでいる人におすすめ