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川崎病の“治療不応例”をゼロに!
ハイリスク患者には初回からステロイド併用も検討

川崎病の治療に長年取り組んできた、都立清瀬小児病院循環器科の三浦大氏。

 原因不明の小児の全身性血管炎である川崎病の患者が近年著しく増加し、注目を集めている(『日経メディカル』7月号トレンドビュー「川崎病後遺症のその後は?」参照)。2004年の初診患者は約1万人を数え、罹患率では過去2番目の大流行となった1986年に迫る水準だ。

 かつては突然死などが社会問題となった川崎病だが、その急性期治療はγグロブリン療法の確立によって飛躍的に進歩し、冠動脈瘤などの後遺症を残す患者は5%以下にまで抑えられるようになった。しかし、依然としてγグロブリン療法に反応しない“不応例”と呼ばれる患者が10~15%存在し、そうした不応例には後遺症が集中的に発生する。しかも近年、不応例が増えているのではないか、との声が聞かれるのだ。

治療への反応を早く見極め、次の一手を打つ
 「川崎病の不応例が増えているという印象は確かにあるが、それはγグロブリンの投与方法の変化と無関係ではない」。そう話すのは、東京都立清瀬小児病院循環器科医長の三浦大氏だ。現在、川崎病の急性期治療の標準とされているのは、γグロブリン2g/kgを1日で点滴静注する方法。以前は、200~400mg/kg/日×3~5日間の分割投与が主流だったが、1990年代初頭に米国で報告されたランダム化比較試験(RCT)によって、大量単回投与の方が優れた臨床効果をもたらすことが分かり、わが国でも単回投与が選択されるようになった(保険上で単回投与が認められたのは2004年から)。

 現在、γグロブリン療法の効果判定は、投与終了後36~48時間の時点で行われる。分割投与の時代と比べて投与期間が短くなった分、判定時期も前倒しされており、数日間かけて徐々に解熱するような症例は、不応例と判定されるようになった。その結果、不応例が増えたとの印象が強まっているのではないか、というのが三浦氏の考えだ。

 三浦氏らの検討では、発熱から10日以上経過した症例では、不応例としてγグロブリンを追加投与しても予後が有意に悪いことが分かっている。「治療への反応性を早く見極め、次の一手を打つことで後遺症発生を抑えることができるという意味で、不応例の“増加”は、患者にとって悪いことではない」と三浦氏は言う。

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