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麻疹・風疹の予防接種が再び変更に
単抗原ワクチンが定期接種に再導入

「現場は混乱しているが、良い方向に変わったので、なんとか乗り切って欲しい」と語る国立感染症研究所の多屋馨子氏。

 「麻疹風疹予防接種が“再び”変更になります」(ある自治体の6月の広報誌)--。今年4月から麻疹・風疹の予防接種が混合ワクチン(MRワクチン)の2回接種に変更になったばかりだが、変更から2カ月で、また制度が変更された。6月2日からの新制度では、MRワクチンに加え、麻疹、風疹の単抗原ワクチンも定期の予防接種として接種できるようになった。「現場は混乱しているが、良い方向に変わったので、なんとか乗り切ってほしい」と、国立感染症研究所感染症情報センター第三室長の多屋馨子氏は訴える。

 今年4月の改正前は、1歳から7歳半未満を対象者に、麻疹および風疹の単抗原ワクチンをそれぞれ1回ずつ接種することになっていた。これが4月からスタートした制度では、MRワクチンを、1歳~2歳未満(第1期)と、小学校就学前の1年間(第2期)の2回接種することになった。期間を限定することで1歳になったら早期に接種させ、さらに2回接種とすることで免疫獲得をより確実なものにすることを狙ったものだ。

 ところが、この4月からの制度では、麻疹や風疹のいずれかにかかったことがある小児、あるいはどちらかの単抗原ワクチンを既に接種した小児は、当面の間、MRワクチンの対象にならない、つまり第1期はもとより第2期も受けられないとされた。このMRワクチンの対象外の小児は、単抗原ワクチンを受けることになるが、単抗原ワクチンは「任意接種」にされてしまった。

 任意接種になると、無料接種でなくなるだけでなく、死亡・障害が残った場合、それまでの予防接種法に基づく定期の予防接種のような手厚い救済が受けられなくなる。そのため、新制度の施行前から「関係学会や検討会など、いろいろなところが、単抗原ワクチンを定期接種に戻してもらいたい、と行政に働きかけた」(多屋氏)という。

 こうした動きを受けて厚生労働省は、制度が改正される前日の3月31日、単抗原ワクチンも定期の予防接種に追加する予定であると自治体に通知していた。これを受けて、6月2日に実施されたというわけだ。

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