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【未承認薬、何が問題か 第1回】
特効薬が使えない

 去る6月2~6日に米国ジョージア州アトランタで開かれた米国臨床腫瘍学会(ASCO)。癌の診療に携わる医師たちが世界中から集まる学会だ。毎年、新しい抗癌剤を使った臨床試験の結果が幾つも発表される。

 しかし、学会で注目を集める新薬、あるいはレジメンは、日本では使用できないことが少なくない。日本では承認されていない薬だからだ。特に癌の領域で、「外国では使える薬が日本では使えないのはおかしい。何とか使えるようにならないものか」という患者からの声が、最近高まっている。インターネットの普及により、学会発表を含む最先端の情報を患者が直接手に入れるようになってきたことも大きい。

 実際、抗癌剤に限らず、ある薬が外国で承認されてから、日本で承認されるまでには、通常、年単位のタイムラグがある。

 日本製薬工業協会製薬協)のシンクタンクである医薬産業政策研究所は、2004年の医薬品の世界売り上げ上位88製品のうち、自国オリジンの薬を複数作っている、つまり新薬開発能力のある8カ国(日本、フランス、デンマーク、ドイツ、スウェーデン、スイス、英国、米国)を選び、世界のいずれかの国で販売が開始されてから、それぞれの国で販売が開始されるまでの期間を比較した。その結果、最短は米国で504.9日、次いで英国で511.8日、逆に最長は日本で1416.9日だった(表1)。日本では、平均して約4年、米国、英国と比べて2年以上の差がある計算だ。

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