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【マイナス3.16%の深層 第7回】(4/27 訂正)
改定こぼれ話:領収証・心身医学療法・検体検査

領収証の発行が10月から義務化される。

 今回は趣向を変えて、今回の診療報酬改定にまつわる三つのこぼれ話を紹介したい。

その1:発行始めても難題残る領収証
 これまで領収証を発行していなかった医療機関は、これから発行準備に追われることだろう。しかし、発行が軌道に乗っても安心はできない。

 大阪府保険医協会の担当者は「レセプトが減額された場合が心配」だと指摘する。保険者の中には、加入者が使った医療費の額を通知しているところが少なくない。審査で削られた場合、患者には減額後の金額が知らされる。これに対し、領収証の金額は、普通は医療機関が請求したときのまま。両者を突き合わせると、患者は合点がいかないわけだ。

 またこの担当者は、「来年3月の所得税の確定申告の際、医療費控除を受けるために、『領収証をなくしたので再発行してほしい』と要望する患者が出てくるだろう」とし、こうした場合の対処も検討する必要があると言う。

その2:要望しないのになぜ?心身医学療法の加算
 今改定で、20歳未満の患者に心身医学療法を実施した場合は、20歳以上の患者に行ったときの2倍の点数を算定できることになった。この点数は、カウンセリングや催眠療法などの心身医学的アプローチに習熟した医師であれば、精神科医でなくても算定できる。

 「学会から要望したわけでもないのに、どうしてこんな加算ができたのか」。日本心身医学会の関係者は、不思議に思って調べてみたという。そして、以下のような結論にたどり着いた。まず、心身医学療法の点数を算定している医療機関は極めて少ないため、点数が2倍になる加算を作ったところで、医療費全体に及ぼす影響はほとんどない。さらに、引きこもりをはじめ、心に問題を抱える青少年が増えている世相から、財務省の理解も得やすい――ことから、学会側から要望しなかったにもかかわらず、加算が創設されたと、この関係者はみている。

その3:まだあった、検体検査料という財源
 「これまでほとんど手付かずだったので、今回は大幅に引き下げた。お陰で財源がずいぶん確保できた」。今回の点数表の説明会で、厚生労働省の担当官がこう語ったのが、尿・血液・生化学をはじめとする検体検査料だ。

 「検査はこれまでも改定のたびに下げられてきたんじゃなかったか」と思って、点数表の別表を見てみた。すると、あるわあるわ。17ページにわたり引き下げ項目のオンパレード。わずか下げ幅は1点、2点だけの検査も少なくないが、これだけ数があれば「ちりも積もれば山となる」のもうなずける。

 もっとも、診療所では、検査を外注している施設が多いはず。減点項目ばかりの新しい点数表を、取り引きのある臨床検査会社に突き付けて、委託料の値下げを求めている医療機関も多いだろう。

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