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【米国から学ぶ――医療の質向上を目指して 第3回】
トヨタ生産システム(TPS)で病院改善

ボーイング社で鍛えたノウハウを医療現場に伝授することに情熱を燃やすジェフ・マコーリフ氏。

 データの視覚化でスタッフの意識向上に成功したスウェーディッシュ病院のもう一つの工夫は、「トヨタ生産方式」(Toyota Production System=TPS)を現場の改善に取り入れている点だ。モノ造り工場の生産管理の手法を応用して、病院業務から徹底的に「ムリ・ムダ・ムラ」を排除しようと試みている。ボーイング社で長年航空機製造に関わってきた業務改善担当部長のジェフ・マコーリフ氏は、「医療界の経営は、他の産業に比べると大きく遅れている。製造業から学べるものは多い」と語る。

 例えば、外来で患者が診療が終わってから処方薬を受け取るまでに平均95分かかっていたが、薬剤師が薬の処方に要する時間は4分だけで、あとは情報の転送や転送待ちのための時間だった。スウェーディッシュ病院業務改善担当部のコンサルタント、アブドゥール・マンスール氏は、「診療にかかる全所要時間のうち、5%の時間しか患者さんに付加価値を与えていないといったことが多い」と語る。病院関係者が当たり前、あるいは仕方がないと考えることも、製造業畑で品質管理に取り組んできた両氏にとっては、「TPSを使えば大いに改善できる余地がある」と映る。

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