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【マイナス3.16%の深層 第4回】
「小児」への追い風は誰のものか

小児医療は評価されたが、手間がかかるのも事実。

 今回の診療報酬改定で、手厚く評価された分野の一つに小児科がある――。
 この記述は、厳密にいえば誤りである。3.16%という過去最大のマイナス改定にもかかわらず、点数が引き上げられたり項目が新設されたりしたのは、小児科ではなく「小児医療」。具体的には、6歳未満の乳幼児に対する深夜加算の引き上げ(100点増)、小児入院医療管理料の引き上げと算定要件の緩和、地域連携による24時間診療体制の評価などが図られた(表1)。

 こうした項目を眺めていると、地域の中核病院や小児科クリニックだけが、小児医療への追い風の恩恵にあずかれるように思える。しかし、それ以外の医療機関にも「小児」への追い風は及んでいる。例えば注射では、乳幼児に静脈内注射を行った場合の加算が、21点から42点へと引き上げられた。検査でも、血液採取を乳幼児に対して行った場合の加算が、7点から14点へとアップ。手術料でも、新生児・乳幼児加算が引き上げられたほか、6歳未満の小児の創傷処理の点数が新設された。

他科でも小児医療に取り組む契機
 少子化に歯止めがかからず、かつ小児科医の不足が指摘される現状では、小児医療が手厚く評価される流れはしばらくとまりそうもない。だから、収入増を考えるのであれば、小児科以外の診療所でも、より積極的に小児患者を受け入れるのも一つの方法だ。元々小児患者の多い診療科では、まず6歳未満の乳幼児に対する時間外・休日・深夜の加算の算定を考えてはどうか。点数は、乳幼児以外を診療した場合に比べ、初診の場合で時間外と休日が115点、深夜が215点、いずれも高く設定されている。とりわけ、中耳炎や扁桃炎などで、発熱や痛みを訴え駆け込んでくる患者が少なくない耳鼻咽喉科は、通常の診療時間以外の受診ニーズは高いはずだ。眼科でも、休日に遊んでいて目にけがをする子供がいるだろう。

 これら初再診料の加算の算定要件は、「小児科を標榜」となっているだけ。もっとも、小児科医以外は小児科を看板に掲げることに後ろめたさを感じる人も少なくないだろう。しかし、子供の患者が多く来院する現実があり、法的な問題がないのであれば、小児科を標榜科目に加えることを、それほどためらう必要はないのではないか。もちろん、来院した小児患者(およびその親)に、満足してもらえるだけの医療サービスを提供する技術が前提となるのは言うまでもない。診療報酬で手厚く評価されるということは、それだけ患者の負担が増えるということでもある。小児科標榜の可否を検討する際は、患者側の医療機関に対する要求がこれまで以上に厳しくなることも視野に入れるべきだろう。

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