2010年にトロント小児病院での臨床留学から帰国し、東京都立小児総合医療センターで感染症科を立ち上げて、当時の日本国内では珍しい、網羅的に小児の感染症を研修できる環境を整備してきた。同時に日本小児感染症学会では、小児感染症の専門医制度の創設に携わるというチャンスにも恵まれた。2017年度に日本小児感染症学会の専門医研修が始まり、国内各地で小児感染症を研修できる施設が増えてきた。この10年弱で国内の小児感染症診療の体制は劇的に整備されてきた。
 十数年前、小児科医が感染症を診療するのは当たり前で、「感染症は小児科の専門領域ではない」という認識すらあった。小児科医は感染症に罹患した多くの小児を診療するため、基礎に感染症の知識が必須であるのはその通りである。しかし、診断・治療が複雑な感染症、まれな感染症には、感染症について一般の小児科医をしのぐ知識を系統立てて習得した小児感染症専門医が当たる必要がある。

小児感染症科の10年を振り返っての画像

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