2010年に日経メディカルが実施したアンケートでは、「女性医師の増加が、いわゆる『医療崩壊』の一因になっていると思うか?」という質問に、男性医師の4割超が「そう思う」と回答しました(文献1)。実際に日本の男性医師全体の何割がこのように考えているかは分かりませんが、女性医師の増加を否定的に見る男性医師が少なくないことは確かです。
男性医師が女性医師の増加に否定的な理由は何でしょうか。このアンケートでは、「出産や育児で、職場を離れる」「仕事に復帰しても、非常勤で、長時間働かない」「男性医師に比べ、忙しい科を志さない」…。一言でいえば、「女性医師は医師として『男並み』に働かない」ということではないでしょうか。
「男並み」の働き方ができないことで、肩身の狭い思いをする女性医師は少なくありません。医師不足で過重労働が当たり前になっている職場では、風当たりはさらに強くなります。女性医師が職場で妊娠の報告をしても祝福されず、上司から冷たく「いつまで働けるの?」と聞かれた、妊娠しても休みにくい雰囲気があるため、体調を心配しながらも長時間働き続け、切迫流早産という状況になってやっと休めた、といった経験談を聞くこともよくあります。
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