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無過失補償制度でデバイスラグの解消を
井上清成(井上法律事務所、弁護士)

2010/12/02

1.九大病院 補助人工心臓の管外れる
 2010年9月15日付西日本新聞(夕刊)に、「九州大学病院(福岡市東区)は15日、脳死になった人からの心臓移植を希望して入院中の重症心不全の患者が、補助人工心臓の管(カニューレ)が外れて意識不明の重体となる医療事故があったと発表した」という記事が掲載された。その後、10月26日付の同紙は、「人工心臓外れた重体患者が死亡/九州大病院」と続報。患者は10月25日に死亡したという。

 もともと、9月15日付同紙によると、「9月13日午前11時17分、病棟個室のトイレからナースコールがあり、看護師が駆けつけたところ、出血して意識がない状態で倒れていた」らしい。詳しい事故原因は必ずしもはっきりしていないが、同様の事故は九大病院では初めてで、全国では4例目とのことである。

2.「なぜ前世紀の遺物をいつまでも」
 この補助人工心臓は、製造承認が20年前の「国立循環器センター型」(国循型)と呼ばれる体外型であった。

 海外の医療機器をめぐる環境は日進月歩であり、これまでに人工心臓約20機種が製造・販売されている。ところが、国内で承認されているのは今もって国循型を含めた2機種しかない。我が国では人工心臓も明らかに「デバイスラグ」の状態にある。「ドラッグラグ」と同様の状況だといってよい。

 再び9月15日付同紙に戻ると、次のようなくだりがある。

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