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東京医科大学の第三者委員会(その2/2)
郷原信郎(弁護士・名城大学教授)

2010/09/22

 ※「東京医科大学の第三者委員会(その1/2)」の記事はこちらからご覧ください。


8月19日開催 コンプライアンス研究センター第96回定例記者レクから抜粋
 7月13日に第三者委員会の報告書を公表し、その際、理事長、学長と私の3人が出席して記者会見を行いました。その際も理事長の方から、「郷原先生には、まだ8月まで契約もあるので、引き続き第三者委員会の報告書の提言の実行に関して、いろいろアドバイスをしてもらいたい」というようなことを理事長からも言われていました。

 ですから、私が第三者委員会の報告書を作成した、公表したということで終わりではなくて、引き続き東京医大との契約関係を持って、この問題に関わっていくということは、東京医大の側からもすでに表に出されていることですから、その契約関係について重要な事実はコメントをしておくべきだろうと思います。

 東京医大との契約にもとづいて、医療のコンプライアンスという観点からアドバイスとか、サポートを行なうということを目的とする東京医大との契約の期間は4月~8月まで、つまり8月31日までになっていたわけですが、諸般の事情により私は8月30日でその契約を終了すると、解消するということを東京医大の側に通知をしました。

 その事情とか、具体的な中身、その契約に基づく業務がどういう状況であって、最終的にどういうようなことになったのかというような点については、弁護士としての業務委託契約にもとづいてやってきたことで守秘義務がありますので、申し上げられません。


 ただ、一般的にどういう考え方で今回のこの第三者委員会の報告書が出され、そしてどういう考え方で東京医大のコンプライアンスの改革を、そして組織の抜本改革を進めようとしようとしてきたのかということについては、これまでも記者会見の場などでも、そしてそのフォローとして、ここの記者レクの場などでも再三にわたってお話してきたところですので、説明しておくべきだろうと思います。また、このような契約に基づくコンプライアンスに関する業務の一般的性格についても説明しておきます。

 要するに、第三者委員会の報告書が提言した、本当に患者中心の医療を実現できるようにするための組織の抜本改革が行えるように、コンプライアンスという観点からさまざまな努力を行う、さまざまな業務を行うということを契約の内容にしていたわけです。こういった契約というのは、これまでにもいろんな企業などの組織について行なってきていますが、まずコンプライアンスにどういう基本的な視点で取り組むべきなのかという点を理解してもらうことが必要です。

 その一般的な考え方を理解してもらった上で、今回の第三者委員会の報告書が、東京医大の問題について、どういう調査結果に基づき、どのようにとらえ、そしてどのような改革の方向性を示しているのかという点をしっかり理解し認識してもらう必要があります。

 せっかく第三者委員会の報告書を作成し、そして世の中にも公表したわけですから、提言の内容になっている再生委員会の立上げや再生プロジェクトチームの編成について助言し、再生委員会のメンバーには、第三者委員会報告書の考え方をしっかり理解してもらうことが重要な業務内容になりますが、それと同時に、報告書の内容とそのベースとなっている考え方をまず東京医科大学の中で理解をしてもらう。そのためにできるだけ多くの教職員の方々に集まってもらってお話をする場を作るとか、個別に研修・教育をする、そしていろんな部署の方々とディスカッションする。いろんなことを通じてこの考え方を浸透させていくこと、それらの業務を通じて、第三者委員会の報告書の提言がしっかり実行されるようにするための様々な活動を行うことが、当初予定していた業務契約の内容でした。

 そういう業務を行って、8月末までに第三者委員会報告書の提言が実行され、東京医大において実態に即した抜本的な改革が行われるための道筋をつけることが私の役割でして、そういう面で私なりに東京医大に対して貢献ができることを前提に、業務契約を締結していました。それを1日早く終了せざるを得なかったということは、前提とされていたところと違う状況になったということですが、それが具体的にどういうことなのかは、私の方からは申し上げられません。私の考え方は東京医大の理事長に文書で伝えてありますので、その点について詳しくお知りになりたければ、当事者である東京医大の方にお尋ねになってください。

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