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デンンマークでの初めての小児科体験
高田ケラー有子(造形作家、デンマーク北シェーランド在住)

2010/06/03

※今回の記事は村上龍氏が編集長を務めるJMMの(Japan Mail Media)5月27日発行のメールマガジン『平らな国デンマーク/子育ての現場から』第89回「初めての小児科体験」の転載です。

 「やっと長い冬が終わったね」「この冬はほんとに長かったね~」というのが、ここのところ、久しぶりに出会った人との間で必ず交わされる挨拶です。5月に入ってからも、朝の気温が5度、などと言う日もたびたびあり、寒い春が知らないうちに終わってしまい、5月も終盤になってようやく暖かさを感じることができるようになりました。

 12月から2月までの期間を、「冬」として気象情報などが報じられていますが、2009~2010の冬は、1874年の観測開始以来13番目の寒い冬で、平均気温がマイナス1.5度(平年値はプラス0.5度)。過去14年間の中で最も寒い冬となりました。特に、2006~2007の冬は、平均気温が4.7度という、観測史上最も暖かい冬だったことも記憶に新しく、そのまま暖冬が続いていたことからも、寒くて長い冬だった、と言う印象が強く残っています。日照時間はこの3ヶ月で160時間。平年値の155時間より多いとは言うものの、日照時間が基本的に少ないことは確かで、また寒かったことで、子どもたちの外遊びの時間も少なかったようです。

 そんな寒い冬のあと、ビタミンD不足から、子どもたちの身体へも影響が出ることがあるそうで、息子のクラスメートも、病院でおそらくそれが原因であろうと診断された腹痛で1週間学校を休んでおりました。

 そんな折、息子も同じように腹痛を訴えたのですが、息子の場合は、結局原因が特定できないまま、最終的に胃酸過多ではないか、ということで薬を処方してもらいましたが、これが発病から5日目のことでした。

 月曜日の朝から、その腹痛は始まったのですが、最近ようやく朝8時から9時までの間のみ、子どもであれば予約無しでホームドクターに診てもらえるようになったので、電話予約を入れずに直接ホームドクターセンターに行きました。息子の年齢は12歳。15歳までが子どもの範囲になります。

 ホームドクター(かかりつけ医)とはいうものの、私の暮らしている町にはホームドクターの資格を持つ医師が数名登録しているホームドクターセンターが数カ所あり、個人で開業しているホームドクターもありますが、町の中心にはなく、子どもを持つ多くの家庭では、こうしたホームドクターセンターをかかりつけ医として指定しています。この日の朝の診察は50代の男性医師。触診と問診、尿検査をして特に問題は無い、ということで、痛みが続くようであればまた来なさい、と言われて帰宅。薬の処方もなく、特に何かを注意される訳でもなく、2~3日休みなさい、というだけでした。

 火曜日の朝になっても、いっこうに痛みは治まらず、それどころかひどくなって来ている、と言うので、再度ホームドクターセンターに行くのですが、この日の担当の40代の女性医師は、今度は指先に針で穴をあけて採血する血液検査をしてくれましたが、これも異常なし。どう言うことが考えられるか、医師にも聞きましたが、「血液検査の結果は問題ないのでわからない」というだけで、「様子を見ましょう。痛くなったらまた来なさい」と言われてまたそのまま、帰されてしまいます。

 「病院には送ってくれないの?」と聞いても、「尿検査でも血液検査でも異常がないので、送ることはできない」と言われておしまいです。どんなに息子が痛がっていても、親が訴えても無駄なことでした。

 そして水曜日、3度目の正直で、またまた朝の診察時間に押し掛け、毎日来ていることもコンピュータを見れば分かるので、その日の医師(別の50代の男性医師)は、病院の救急窓口へ行くように指示をくれ、病院にも連絡を入れてくれてました。3日間毎日通ってやっとのことでした。

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