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理事の単記直接選挙が組織を変える
日本医師会定款私案について
小松秀樹(虎の門病院泌尿器科)

2010/03/19

こまつ ひでき氏○1974年東大医学部卒業。虎の門病院泌尿器科部長。著書に『医療崩壊「立ち去り型サボタージュ」とは何か』『医療の限界』がある。

 司法や行政が医療を取り締まると、医療が規範でがんじがらめにされ、実情に対応できなくなる。このため、英語圏を中心に、専門分野の制御を、専門職団体の自律に委ねる国が多い。

 1999年以後、日本では、刑事司法が医療に介入する場面が目立ったが、2008年の大野病院事件の判決で、医療界は刑事司法との争いで、暫定的な勝利を得た。この間、厚労省は、刑事司法への医療の反発を隠れ蓑に、医療現場への報告の義務付け、調査権限、処分権限を拡大すべく、一貫して努力してきた。

 医療側が自らを律することなく、信頼が得られなければ、法で医療を取り締まろうという意見が強くなり、医療の安定的な発展が阻害される。

 従来、日本医師会は、日本の医師を代表する公益法人(社団法人)とされてきた。しかし、医師の自律を担う団体としては機能していない。日本医師会は、開業医の経済的利益の擁護を最優先課題とし、二重の代議員制度で勤務医の意見を抑圧してきた。

 こうしたガバナンスの不備のため、ほとんどの活動が結局は開業医の経済的利益のためではないかと見られてきた。社会の不信感のため、最近の日本医師会の経済的利益をめぐる活動は、ほとんど成功していない。

 日本医師会幹部は、医師が団結して利益を主張すると、団結と主張の強さに応じて、得られる利益が大きくなるという信じがたい妄想を抱いてきた。医師が団結して経済的利益を主張すれば、目の敵にされるという当たり前のことを、日本医師会幹部は想像できていない。

 私は、一昨年、現在の日本医師会の抱える矛盾を解消するために、日本医師会三分の計を提案した。日本医師会を公益のための団体、開業医の利益団体、勤務医の利益団体に分割する案である。

 2009年、医師の労働組合として全国医師ユニオンが発足した。

 弱小ながら、すでに勤務医の利益団体は成立しているので、日本医師会を日本の医師を代表する公益のための団体と、開業医の利益団体に分割すればよい。

 関連した大きな動きとして、公益法人制度改革三法が2008年12月1日に施行された。日本医師会は2013年11月30日までに、新組織に移行しなければならない。新組織の定款が改革の表現となる。

私は、下記の公益社団法人日本医師会定款私案を提案するものである。叩き台であり、今後、詳細な検討を要する。重要な条文は、第4条(4)、第4条2、第13条、第15条、第21条7である。

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