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産婦人科勤務医は今回の診療報酬改定に何を求めているのか
海野信也(北里大産婦人科教授)

2010/01/27

1.これからが中医協における議論の本番です
 2010年1月15日の中医協に、長妻厚生労働大臣は「平成22年度診療報酬改定について」という諮問書を提示しました。中医協では、社会保障審議会医療保険部会・医療部会が平成21年12月8日付でまとめた「平成22年度診療報酬改定の基本方針」、平成22年12月9日付厚生労働省公表資料「平成22年度診療報酬改定について」に基づいて、今後2月12日を目途に答申をまとめるべく、検討を全速力で行っていくことになります。

2.平成22年度診療報酬改定の大枠
 既に報道されておりますように、全体の改定率は+0.19% 診療報酬改定(本体)の改定率は+1.55%(医科+1.74%(入院+3.03%、外来+0.31%)、歯科(+2.09%))、調剤(+0.52%)で、薬価等の改定率は-1.36%(薬価改定-1.23%(薬価ベース-5.75%)、材料価格改定-0.13%)となっています。

 「医科については、急性期入院医療に概ね4000億円程度を配分することにする。また再診料や診療科間の配分の見直しを含め、従来以上に大幅な配分の見直しを行い、救急・産科・小児科・外科の充実等を図る。」という明確な記載があります。

 社会保障審議会両部会の「基本方針」では重点課題として

(1)救急、産科、小児、外科等の医療の再建
(2)病院勤務医の負担の軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)

の2点が示されています。

3.現在の状況を産婦人科医の立場で整理してみます
 私は、この間厚生労働省に対して、日本産科婦人科学会の医療改革委員会の担当者として、今回の診療報酬改定に関する要望を行ってきました。今、改定の基本方針と大枠が示された時点において、この2つの重点課題に深く関わる診療領域である産婦人科の医師が、どのような考えで、どのような要望を行ってきているのか、それは現時点でどの程度厚労省や中医協に伝わっているのか、という点について、整理しておきたいと思います。

4.日本産科婦人科学会の平成22年度診療報酬改定に関する要望の内容
 2009年6月1日付で日本産科婦人科学会は厚生労働省保険局長宛で「産科・周産期医療再建のための平成22年度診療報酬改定に関する要望書」を提出し、8項目の要望を行いました。その後、厚労省からの依頼で項目間の優先順位を決定し連絡しています。

(ア)8項目の要望とその優先順位
(1)「勤務環境確保加算」の新設
(2)ハイリスク分娩管理加算の算定要件、適応疾患、点数の改正
(3)「高度母体救命体制(M型)加算」の創設
(4)妊産婦救急加算の新設
(5)妊産婦緊急搬送入院加算の算定要件、点数の改正
(6)周産期医療における麻酔科の評価(妊産婦に対する麻酔への重点評価)
(7)新生児・母体緊急搬送料の新設(新設)
(8)ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の算定要件、点数の改正

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