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兵庫・大阪の新型インフルエンザ騒動から何を学ぶか―PCR検査をめぐる迷走―
長尾和宏(長尾クリニック院長)

2009/06/01

ながお かずひろ氏○1984年東京医大医学部卒業。市立芦屋病院などを経て1995年兵庫県尼崎市に長尾クリニックを開院、現在に至る。

 5月27日現在、兵庫・大阪における渡航歴と関係のない新型インフルエンザ発生は一応の収束に向かいつつあるようだ。今週からほとんどの学校での授業が再開された。各地での新たな患者発生や秋以降に予想されている第2波、第3波に対して、医療者はどう備えるべきなのか。また今回の騒動から何を学ぶべきか。大阪府と隣接する兵庫県尼崎市の一開業医の立場から、今回、PCR検査について感じた疑問について述べたい。

【発端となった渡航歴のない患者へのPCR検査】

 どうしてまた神戸だったのか?風評被害を含めて兵庫・大阪の経済損失は800億円にのぼると試算されている(5月24日神戸新聞)。今回の騒動が関西の地域経済に及ぼす影響は極めて深刻だ。まず神戸でおきたことの発端を振り返ってみる。

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