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北海道医学生の会の取り組み
医学生の考える医学教育カリキュラムの提案
津田健司(北海道大学医学部5年)、駒井俊彦(北海道大学医学部5年)

2009/03/22

【北海道医学生の会のコンセプト】

 昨年9月以降「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究」班会議や「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」において、医師の養成・教育について熱心な議論が行われています。

 去る2月19日には、初期研修を実質1年にすること、都道府県毎の初期研修医定数を決めることが厚生労働省と文部科学省の合同検討会から提示され、新聞各紙の一面を飾りました。医師の養成はもはや医療界のみならず社会全体の関心を集めています。

 しかしその中には、将来医師になる医学生からの意見はすっぽりと抜け落ちています。「教育に関わる当事者としての医学生が意見を持つ、言う、届ける」ことが北海道医学生の会のコンセプトです。

 こうした理念の下、私達の現在の目標は、学生と教官とが知恵を出しあい、北海道大学医学部卒前教育をより良いものに変えていくことです。大学で医学生が学ぶ医学教育カリキュラムは、過去の反省を踏まえて様々な制約のもと先生方が多大な時間をかけて作ってくださっているものですが、教育を受ける立場の医学生の声は、やはりほとんど入っていないか、極めて限定的に入っているのみです。

 北海道大学の医学教育をより良いものにするにはどのようにしたらよいか、5年生を中心に学年を超えて他大学や他国の例を参考に議論を交わし、アンケートを行い、内部で一定の意見のまとまりを得ました。私達の提案は、以下の3点です。

1)PBL(Problem Based Learning)教育の導入

2)多様な進路を生み出せるFree Quarter制度の導入

3)教育の質を評価・担保する「医学教育委員会」の設立

 上記のように一見目新しくない提案をなぜ敢えて行うに至ったかを以下に述べます。

1)PBL教育の導入

【臨床実習を終えてなお抱える、医学生の将来への不安】

 私達は『北海道大学の医学部教育に関するアンケート』を同大5年生100人に実施し、87人から回答を得ました。その中で「患者さんの訴えが特徴的ではなかった場合、問診をとっても診断が思いつかず思考停止してしまった。」「鑑別診断があがらなかったり、鑑別するために次に行なうべき検査が何かわからなかったりしたことがある。」といった感想が複数寄せられました。

 また、『医学生として卒業前までに学ぶべき・学びたいと思うものは何か』を項目別に調査した結果、症候学を卒前に大学で学びたいと答えた学生は98%にのぼりました。医学生は研修制度がころころと変わり振り回される中で、医師の思考過程を身につけるトレーニングがなされないまま卒業後ただちに実践力を期待されて働くことに、漠然とした不安を感じています。

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