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骨髄移植フィルター騒動
「2度と起きないように」舛添大臣は、危機管理と情報公開を私たちに約束した
大谷貴子(NPO法人全国骨髄バンク推進連絡協議会会長)

2009/03/06

おおたに たかこ氏○財団法人骨髄移植推進財団(日本骨髄バンク)評議員などを経て2005年より現職。自らの骨髄移植の経験をもとに、白血病患者への支援の和を広げるため、全国各地での講演に精力的に取り組んでいる。

 去る2月24日、厚生労働省大臣室において、骨髄移植キット在庫不足に関する情報公開と患者負担増加の回避を求める要望書とともに、皆様にお寄せいただいた66,000筆超の署名(個人署名65893筆、メール署名623筆、個人意見書46筆、団体要望書59団体)を無事、舛添厚労大臣に提出いたしました。

 大臣からも今後の対応について力強い言葉をいただき、報道されているように、それから間もなく先日2月26日にはバイオアクセス社製品の製造販売承認が下り、3月以降も従来と変わらない患者負担での骨髄移植が可能となりました。

 申請から1ヶ月を待たない異例のスピード承認等、今回の迅速な措置は、ひとえに舛添先生のご尽力の賜物であり、またご協力いただいた皆様には心から厚く御礼を申し上げる次第です。

 今回の一件を振り返ってみると、バクスター社製骨髄キットの供給停止を知った昨年12月から、先日無事に申請承認を迎えるまで、およそ2ヶ月という日々が非常に長く感じられました。やはり、情報がきちんと回ってこないことから生じる不安や焦りによるところが、大変大きかったように思います。

【もどかしかった2ヶ月間】

 私がバクスター社製の骨髄キット(ボーンマロウ・コレクションキット)の供給停止を知ったのは、昨年12月20日の読売新聞の報道からでした。骨髄移植を予定されていた方のお父様から報道についての第一報を受けて、あわてて確認したのです。それまでは全く何の情報も入ってきておらず、まさに寝耳に水でした。

 ところが例えば骨髄移植財団(骨髄バンク)には情報が12月17日に入ってきたという話もあり、また、医療関係者の方々には19日の時点でFAXがバクスター・ジャパン社の営業担当者から送られてきたと聞いています。しかし私たち患者側は結局のところ、20日の公の報道を通じて知るよりほかなかったわけです。

 今回は厚労省さえ新聞報道を知ってからの対応だったということで、確かな情報がなかなか入ってこずに、患者の皆さんやご家族は非常に気を揉まれたと思います。私はというと、じっとしていられずに、自分たちのできることをしようと、冒頭でご報告した署名活動を始めました。その後も、1月中はさまざまな情報が飛び交うも、どれを信じてよいかわからないような状態が続きました。

 ようやく、なんとなく光が見えてきたかな、と思ったのは、2月に入ってから、バイオアクセス社の製品が600キット成田に到着したという厚労省の発表があった頃からです。その600キットについては皆様ご存知のとおり、骨髄移植財団がアメリカのバイオアクセス社と交渉して確保したものでしたが、それがさらにきちんと国によって管理され始め、国としての対応が形を伴ってきたということで少し明るい兆しを感じました。 

 もちろん当時はまだ未承認で不安や懸念もまだまだ大きかったのですが、なにしろ現物がなければ話になりませんから、それがとにもかくにも確保されはじめたというのは朗報でした。実際のところ、現物がありさえすれば、あとはお金で解決できる話、なんとかなるなと思いました。最悪お金に関しては、保険適用されなくて患者さんが負担できないとなったら、みんなでカンパでも集めて肩代わりしようとまで考えていたのです。

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