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第3回周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会傍聴記
国民が求めているものを勝手に決め付けるな、ということでしょうか
川口恭(ロハス・メディカル発行人)

2008/12/01

 第1回のハイライトをご報告した後で、いきなり第3回の報告に飛ぶ。接続が悪くなって申し訳ない。順を追うことを優先して時間を置くより、早くお伝えした方がよいと思った。そういう中身だった。

 この懇談会は12月中に対策を打ち出すということで急ぎまくっているのだけれど、誰が議論を省略してまで急げと言ったんだと、「国民を代表する立場」として参加している唯一の非医療者から疑義が唱えられた。私も全く同感だ。委員名簿は、こちらに、2回目から、死因究明検討会でおなじみの木下勝之・日本医師会常任理事が順天堂大客員教授の立場で加わっている。

 冒頭の大臣挨拶から。

「本日は終日厚生労働委員会で、この問題もだいぶ質問されたので、この場で検討いただいていることと12月を目途に具体案を出したいんだということを申し上げている。基本的には委員の皆さんの意見を集約してほしいと思っているが、くれぐれも現場の医療者の負担を増すようなことはよくないので、それでなくても医師不足で悲鳴があがっているところに、さらに悲鳴の上がるのではよろしくない。この具体策によって負担が軽減されることでないと先へ進まない。

 そのうえで、どうしても必要な人的・物的なものがあれば、それは政治の力で何とかする。今後の予算編成で手当てすることも含めて。ただ、これは国だけが頑張ってもあれなんで、各自治体にも頑張ってもらいたい。

 東京都が猪瀬副知事の元にプロジェクトチームを立ち上げたけれど、ああいったように各自治体に取り組んでもらって、ここの議論が各自治体を動かして、地域地域で優れた取組が行われるような方向付けをお願いしたい」

 産科麻酔の専門家を代表して照井克生・埼玉医大産科麻酔科診療科長がプレゼン。

舛添
総合母子周産期医療センターに常勤麻酔科医を配置しろという話だが、そもそも、そんな数の麻酔科医はいるのか」

照井
「麻酔医は着実に増えている。入局者は年400人ずつ、専門医も年に2000人ずつ増えている。センターの長や産婦人科の部長が麻酔科と連携すれば改善するんではないか」

岡井
「麻酔科の常勤医がいない状況はたしかにある」

海野
「麻酔科医の常勤をセンターの条件に考えると、できるところが限られる。現実にはできなくなってしまうので、まずは最低限のところを確保し、それぞれの施設で育てて充実させていくというのがよいのでないか。センターの陣容が、赤ちゃんに偏っているのも、一番弱い赤ちゃんの命を守るのが最低限必要なことということで、今後は母体救急についても充実させる方向で考えるのではいかがか」

岡井
「全く同感。ただ、それを育てるのに行政の力は絶対に必要。今後大きなテーマになるだろう」

杉本
「麻酔医は確かに増えてるのかもしれないが、病院の常勤はどうか。大阪では、大阪大関係の病院に関しては常勤医を確保するのが非常に難しくなっている。日本全体を見てどうなのか。開業の割合が高いし、女性医師の比率も高い。センターに麻酔科医の常勤を明記したとして、どうやったら確保できるのか」

照井
「御指摘の通り女性医師の比率が高い。2人で1人分とカウントしてもらうなどしないと常勤の働きをするのは難しいかもしれない。非常勤の麻酔科医がどの程度いるか把握していないが、決して望んで非常勤になったわけではないと思う。病院で疲れ果てて出ていくというのがほとんど」

有賀
「麻酔科医のキャリアアップの観点から伺う。リスクの高くない患者さんから出発するんだろう。産科麻酔は難しい部類なんじゃないか。どの辺りで使いものになるのか。具体的に皆ハッピーな若手と年寄りの混ざり具合を教えていただければ」

照井
「50代の部長、40代の次長、若手と研修医の組み合わせでないか。専門研修の1年目では1人で当直させることはなくて、誰かが指導しながら一通りやらせて、次の年から自律的にやれるようになる」

有賀
「卒後4年から5年で兵隊として使えると」

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