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利益相反マネジメント
津田健司(北海道大学医学部医学科5年)

2008/07/30

現在北大医学部医学科5年生。寒い北海道でサーフィンをしながら、医療について考える日々。

 去る3月31日、「厚生労働省科学研究における利益相反(Conflict ofinterest: COI)の管理に関する指針」が発表されました。平成22年度までに利益相反委員会(COI委員会)が設置されていない、あるいは外部のCOI委員会への委託がされていない場合、厚生労働省科学研究費補助金が交付されなくなるため、今後2年間で急速に利益相反マネジメントが進むことになります。

 2004年6月、利益相反を世間に印象づけるアンジェスMG誤報事件がおきました。アンジェス MG社の未公開株を持った臨床研究担当者が、同社が開発した新薬の臨床試験をやっていたものです。

 そもそも利益相反のマネジメント体制ができる前の話であったこと、また、極めて限られた臨床あるいは病気の分野においては、全く第三者的な研究者というのを見つけることができない、あるいは自ら一生懸命新薬を開発してきた専門家本人を外して臨床試験をやること自体がそもそも患者にとって良くないという事情から、文部科学省、経済産業省ともに違法性なしという見解を出しています。

 しかし、新聞がこれを第二のリクルート事件であると1面トップで報道し、一時大騒ぎになったのです。

 この時点で、全国89の国立大学法人のうち利益相反ポリシーを策定しているのは20カ所、利益相反マネジメント体制を運用しているのは11カ所に過ぎませんでした(文部省技術移転推進室調べ)。NIH(アメリカ国立衛生研究所)やNSF(アメリカ国立科学財団)などが「利益相反マネジメントの整備されていない研究機関に対する研究費拠出は行わない」と明言していることを踏まえ、利益相反マネジメントを一気に浸透させる目的でデッドラインが設定されたのです。

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