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薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会 第4回会議傍聴記
薬害は、厚労省の「打ち出の小槌」か?
川口恭(ロハス・メディカル発行人)

2008/07/17

 厚労省が日本版FDAみたいなものを作ろうとしているらしい。いくつかの報道でそんな話を知り、興味をそそられたので、その話し合いをしているという検討会の第4回会議を傍聴してみた。

 過去3回を見ずにこのようなことを言うのは心苦しいが、あえて率直な感想を言わせてもらいたい。なぜこの検討会で日本版FDAがどうのこうのという話になるのかサッパリ分からない。

 表題を見てもらえば分かるように、この検討会は薬害肝炎の反省に立って、どうやったら再発を防止できるか考えようという趣旨のもののはずだ。

 ところが、この日はやりとりを追ってもらえば、概算要求しないといけないから、その根拠になる中間とりまとめをする、という、それだけに終始していることが分かる。
 しかもそのとりまとめの中身について、それがどのように薬害再発防止につながるのか、コンセンサスが得られているとは到底思えなかったのである。

 この委員会には薬害被害者とその支援者が計5人委員になっているという。彼らを中心に、「自分たちがダシに使われているのでないか」と事務局の厚労省に対して警戒感の見える委員が多かった。

 まず冒頭に大熊由紀子委員(国際医療福祉大大学院教授=元朝日新聞記者)が『はじめに』の文言に「事実に即して」と、『事務局の提案』を論じたと、『事務局の提案』の6文字を挿入するよう主張した。事務局の土俵でやらされていると暗に言っている。

 この後も『はじめに』の文言を、こう直せ、ああ直せという意見が様々に出され、たまりかねたか、まな板の上の鯉としておとなしく聴いてないといけないはずの高橋医薬食品局長が「この中間とりまとめは4回分の議論をまとめていただいたもの。全部の文言を入れようとすると膨大になり過ぎてとりまとめにふさわしくない」と述べた。

 これに対して、泉祐子委員(薬害肝炎原告団)が、すかさず噛みついた。「たしかに色々と入れると局長の言うとおり格調は高くないかもしれないが、この文章自体、事務局からいただいたもの。委員会の意見として直せというのなら、反映されるべきでないのか」

 おお、真剣勝負の火花が散っているなあ、と少し感動しながら眺めていたら、突然、座長の許しも得ずに演説をはじめた御仁がいた。森嶌昭夫座長代理(日本気候政策センター理事長)である。

 この後もずっと、まるで自分が座長であるかのように振舞っていた。私の経験では、代理というのは本職がいない時に代役を務めるもので、本職がいる時は単なる一委員に過ぎないはずなのだが、この検討会は違うらしい。座席も最初からひな壇にある。妙な検討会である。

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